映画『サンダーボルツ*』(2025年)より
原題『Thunderbolts*』
映画『サンダーボルツ』の名シーン・名言の英語を解説していきます。
汚い英語・スラングを紹介しますが、セリフの主語がとても良く、エレーナのリーダーの気質や気配りが感じられます。
酷い言葉を言ってるのに、気配り?とそのギャップもまた面白いです。
字幕では現れていないので、面白い!と余計に感じました。
英語の意味を知ることで映画の理解がより深まると思います。一緒に楽しく英語を学んでいきましょう。
今回は汚い英語表現が多いのでその点はご注意ください。
映画『サンダーボルツ』
『租チンの張り合いはおしまい』
エレーナ・ベロワ(フローレンス・ピュー)
We swung our tiny dicks.
吹替:イキり合うのは よしなってば
字幕:粗チンの張り合いはおしまい
直訳:私たちは小さなちんこを振り回した
訳 :くだらないプライドを振りかざしてただけ
ボブとジョン・ウォーカーが争っていた時に、2人を皮肉るようにエレーナが言ったセリフです。
ヒーロー?が「dick:ちんこ」を平然と言うだけで笑ってしまいます。
「dick:ちんこ」言っているのは事実ですが、一応これは「dick=男のプライド」のことを指しているので、ただ下ネタを言ってるだけではなく、下ネタを使って皮肉ってるわけです。
そしてセリフを見ると、「We:私たち」になっていますが、彼女自身は争いの当事者ではないため、本来なら「You:あなた達(ボブとジョンの2人)」とも言えます。あえて「We」とすることで「自分も含めて人間ってバカね」といった皮肉や自虐的ユーモアが込められているのだと思います。
エレーナらしい茶目っ気のあるセリフです。
英語の解説
単語だけの解説(Vocabulary)
swing:動詞
振る、振り回す、誇示する、見せつける
セリフでは過去形のswungでした。swing-swung-swung
tiny:形容詞
とても小さな、ちっぽけな
セリフでは侮蔑と自虐的な意味で使っています。
dick:名詞
ちんこ
比喩的な意味で、男らしさ、プライド
スラング:swing one’s dick
主語:WeとYou
このセリフ「We swung our tiny dicks.:粗チンの張り合いはおしまい」を言ったのはエレーナです。
主語が「We:私たち」なので1人称複数になります。よって「We」を使うと、エレーナ自身も含まれます。
なので、ボブとジョンだけを指すなら「You:あなた達」の2人称複数を使うのが正しく感じます。
エレーナは直接争っていなかったが「We」を使うことで、「2人だけをバカにするのではなく、私含めてみんなバカ」と表現して、みんなで落ち着くべきだと伝えています。
こういった点から、エレーナの気遣い、リーダーの気質も感じられます。
最後に
『We swung our tiny dicks.』は下品なスラングですが、キャラクターの個性をよく表しています。
「You」でなく「We」を使うことで、共感・一体感を出そうとしているのが分かっていいですね。
政治家やリーダーがよく「We need to〜」と使うのも同じ理由ですね。
このようにスラングや日常英語の皮肉表現は映画を理解する上で重要です。ただし実際の会話では相手を傷つけやすいので注意しましょう。
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参照:サンダーボルツ*
https://disneyplus.disney.co.jp/
(参照2025/09/09)
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