映画『ザ・フラッシュ』(2023年)より
原題『The Flash』
バットマンが口にした『心の傷があるから 今の我々がある』の紹介・英語解説を行います。
ベン・アフレックの演じるバットマンがこのセリフを言い、さらにマイケル・キートンが演じたバットマンも同様のセリフを言います。少し違いがありますが、同じ意味のセリフです。
2回も言われたこのセリフに、どのような英語表現が使われているのか見ていきましょう。
よく使う表現でもあるので、『あ!これ見たことある!』と感じる人もいると思います。
英語の意味を知ることで映画の理解がより深まると思います。一緒に楽しく英語を学んでいきましょう。
映画『ザ・フラッシュ』(2023年)より
『心の傷があるから 今の我々がある』
ブルース・ウェイン / バットマン(ベン・アフレック)
Barry, these scars we have make us who we are.
字幕:心の傷があるから 今の我々がある
訳①:バリー 私たちの受けたこれらの傷が 今の私たちを作っているんだ
訳②:バリー 私たちの受けたこれらの傷あるから 今の私たちがあるんだ
英語の解説
make O C
意味:OをCにする
第5文型(SVOC)の形になっており、O(目的語)には対象の人など、C(補語)には名詞・形容詞などが置かれます。
セリフを分類すると以下のようになります。
these scars we have make us who we are.
直訳:私たちが受けたこれらの痛みが 私たちを今の私たちにしている
S(主語):these scars we have
V(動詞):make
O(目的語):us
C(補語):who we are
主語が『these scars we have』と長くなっていますね。
関係代名詞の目的格『we have:私たちが受けた』が先行詞の『these scars:これらの傷』を修飾しています。
先行詞なしの関係詞『who』
意味:~な人、~する人
先行詞なしの関係詞『who』は名詞節を作ります。ここでは『who we are:今ある私たち』という1つの名詞節を作っています。
先ほど解説した第5文型(SVOC)のC(補語)にこの『who we are』が相当します。
these scars we have make us who we are.
直訳:私たちが受けたこれらの痛みが 私たちを今の私たちにしている
※細かな関係詞の話
基本的に関係代名詞の『who』は先行詞を修飾します。しかし、このセリフのように先行詞なしで使うこともあります。
参考書などでもあまり見ることがありません。大雑把ですが、関係詞『what SV』の『who』版だと思うのがいいでしょう。
慣用表現『who 主語 be動詞』『who S is』
意味:今の主語、今のS
通常、参考書などで見るのはこの形です。
what I am:今の私
what he is:今の彼
さらに、過去形や『used to be ~:以前は~だった』を用いることもできます。
what I was:昔の私
what he used to be:以前の彼
参考書などでよく見る英文として、以下のようなものがあります。
My parents made me what I am.
直訳:私の両親が 私を 今の私にしてくれた
意訳:両親のおかげで今の私がある
『痛みが 私を今の私にした』
ブルース・ウェイン / バットマン(マイケル・キートン)
I lost my parents… but that pain made me who I am.
字幕:私は両親を失った その苦しみが 私を生み出した
訳①:私は両親を失った しかしその痛みが 私を今の私にした
訳②:私は両親を失った しかしその痛みのおかげで 今の私がある
2つの英文の比較
ブルース・ウェイン / バットマン(ベン・アフレック)
Barry, these scars we have make us who we are.
字幕:心の傷があるから 今の我々がある
こちらが、最初に紹介したセリフです。
英文を並べて、比較してみましょう。
① Barry, these scars we have make us who we are.
② I lost my parents… but that pain made me who I am.
どちらも第5文型(SVOC)の構造になっていますね。
さらに、C(補語)にどちらも『who we are:今の私たち』と『who I am:今の私』という同じ表現を使っていますね。
最後に
『心の傷があるから 今の我々がある』『私は両親を失った その苦しみが 私を生み出した』の英語解説になりました。
日本語字幕もいいですけど、英語もいいですね。一般動詞『make』は、今回のセリフでは第5文型(SVOC)で使われていましたが、第4文型(SVOO)でも使うことができます。これらの区別が苦手な方には、勉強になるいい英文ではないでしょうか。
『良いセリフだ!』と思ったものは、やはり英語もいいですね。こうやって比較するのが楽しいです。
この記事を読んで、英語って楽しい!英語の勉強をしたくなった!って感じてもらえたら嬉しいです。
では、また英語解説の記事で会いましょう。
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https://www.netflix.com/
(参照2024/03/18)
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