映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021年)より
原題『Spider-Man: No Way Home』
はじめに
映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のサウンドトラックに収録された曲のタイトルとその日本語訳をまとめていきます。
映画の小ネタや簡単な英語の解説を交えて紹介します。日本語訳には間違いがあるかもしれませんが大目に見てください。
中には辞書には載っていない複合語もあったので、解説を楽しんでもらえたらと思います。
曲数が計23曲あるので、Part.1・2に分けてまとめていきます。こちらの記事はPart.1になるので1~12曲目までを紹介していきます。
音楽:マイケル・ジアッチーノ(Micheal Giacchino)
映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のサントラを担当するのはマイケル・ジアッチーノ氏です。
過去にもマーベル映画に携わっており、以下の作品で音楽を担当しています。
・『ドクター・ストレンジ』
・『スパイダーマン:ホームカミング』
・『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』
タイトルと日本語訳
No. | タイトル | 日本語訳 |
1 | Intro to Fake News | フェイク・ニュースのイントロ |
2 | World’s Worst Friendly Neighbor | 世界で最悪の親愛なる隣人 |
3 | Damage Control | ダメージ・コントロール |
4 | Being a Spider Bites | 蜘蛛の噛み付き |
5 | Gone in a Flash | 一瞬で行ってしまう |
6 | All Spell Breaks Loose | 魔法が全て解き放たれる |
7 | Otto Trouble | オットーの問題 |
8 | Ghost Fighter in the Sky / Beach Blanket Bro Down | 空のゴーストファイター / ビーチブランケットに寝そべる男 |
9 | Strange Bedfellows | 奇妙な仲間たち |
10 | Sling vs Bling | スリングVSブリング |
11 | Octo Gone | オットーの死 |
12 | No Good Deed | 正直者は馬鹿を見る |
小ネタ・解説
1. Intro to Fake News フェイク・ニュースのイントロ
本作の映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は前作の最後から直接つながります。ミステリオによってスパイダーマンの正体がピーター・パーカーだというフェイク・ニュースが流される場面から始まります。
2. World’s Worst Friendly Neighbor 世界で最悪の親愛なる隣人
ミステリオを殺害したという容疑をかけられ、世間からの評判は最悪に…
3. Damage Control ダメージ・コントロール
ダメージ・コントロールは、スターク・インダストリーズと連邦政府の合併事業です。そして、シールド(S.H.I.E.L.D)の子会社です。
映画『スパイダーマン:ホームカミング』の冒頭で、後のバルチャーであるエイドリアン・トゥームスが、ニュー・ヨーク決戦の瓦礫などの処理の仕事をしているところに現れたのがこのダメージ・コントロールでした。そのダメージ・コントロールの介入によりバルチャーは仕事を失ってしまいます。
今作ではダメージ・コントロールは、どちらかというと悪者のような存在として描かれている印象を受けました。
4. Being a Spider Bites 蜘蛛の噛み付き
本編と予告の両方にあったシーンで、ピーターが電話でMJにこう言っています。
ピーター・パーカー / スパイダーマン(トム・ホランド)
Ever since I got bit by that spider… I’ve only had one week where my life has felt normal.
字幕:クモに嚙まれてから… 1週間だけは 普通の生活だった
おそらくこのシーンで流れていたものだと思います。
5. Gone in a Flash 一瞬で行ってしまう
こちらの曲も『4.Being a Spider Bites 蜘蛛の噛み付き』と同じ場面で使われたものだと思います。ピーターの日常が、ミステリオのフェイク・ニュースのせいで一瞬で過ぎ去ってしまいました。
曲も聞いてもらうと分かりますが、悲しい気持ちになる曲です。最後の方に『ドクター・ストレンジ』のテーマ曲がちょっと聞こえますね。
6. All Spell Breaks Loose 魔法が全て解き放たれる
ピーターがドクター・ストレンジに『ピーターがスパイダーマンだという記憶を消す』ように頼みます。そして、魔法を唱えている途中でピーターがあーだこーだと後から注文をした結果、魔法は失敗に終わります。その結果『ピーターがスパイダーマンである』という記憶を持っているヴィランがこの世界に現れてしまうことに…
7. Otto Trouble オットーの問題
ピーターの元に最初に現れたのは、映画『スパイダーマン2』のヴィランであるドクター・オクトパスです。闘いの途中でオットーはスパイダーマンの素顔を見て、自分の知ってるピーター・パーカーでないことに驚きます。
曲も映画『スパイダーマン2』の曲である『Doc Ock Is Born』(ドク・オクの誕生)や『Doc Ock’s Machine』(ドク・オクのマシーン)に似ています。こういう過去作のアレンジは憎いですね。もう最高です!
8. Ghost Fighter in the Sky / Beach Blanket Bro Down 空のゴーストファイター/ビーチブランケットに寝そべる男
予告にもあったドクオクのセリフを思い出させますね。
オットー・オクタビアス / ドクター・オクトパス(アルフレッド・モリーナ)
You’re flying out into the darkness to fight a ghost.
字幕:亡霊を追って 闇に迷い込むかだ
Ghost Fighter(亡霊と戦う者)であるスパイダーマンは、ウェブを使って空を縦横無尽に飛びます。このシーンがタイトルの『Ghost Fighter in the Sky』を指しているのだと思います。
ただ、後半の『Beach Blanket Bro Down』(ビーチブランケットに寝そべる男)は何を指しているのか少し悩みますね。予告にもあったシーンで、ピーターとMJが学校の屋上で寝そべってる場面があります。そこを指しているのかもしれません。
9. Strange Bedfellows 奇妙な仲間たち
Bedfellowは『仲間、同僚』といった意味があります。マルチバースから来たヴィランたちを捕まえるために、ピーターはMJとネッドに協力してもらいます。そのときのことを言っているのかもしれません。
または、ヴィランたちを元の世界に戻す際に、ピーターは彼らのヴィランである側面を直してから元の世界に戻そうとします。このとき、一時的にヴィランたちと仲間になります。なので、それを指しているかもしれませんね。
私が辞書を引いたとき、ちょうど例文にStrange Bedfellows(思いもよらぬ仲間)と書いてあって笑っちゃいました。Strange Bedfellowsってよく使うんでしょうか?
10. Sling vs Bling スリングVSブリング
Sling(スリング)とは『パチンコ』の意味をもっています。おそらく、スパイダーマンが空に飛び出すときに、左右にウェブを撃って、弾性を使って飛び出すやつのことでしょう。
Bling(ブリング)は『ぴかぴか光っている』という意味なので、おそらくエレクトロのことを指しているのではないでしょうか。それか、エレクトロが盗んだアーク・リアクターを指しているのかもしれませんね。
11. Octo Gone オットーの死
ピーターはヴィランたちの悪の要素を排除すべく、治療薬を開発しようとします。最初に治療できたのはオットーでした。なので、その悪の部分であるドクター・オクトパスが死んだという意味で『Octo Gone』『オットーの死』といった意味なのではないでしょうか。
goneには『逝く(死ぬ)』という意味もあります。
12. No Good Deed 正直者は馬鹿を見る
この『No Good Deed』は『No good deed goes unpunished.』の略になります。意味は『善い行いには 罰が伴う』になります。いわゆる『正直者は馬鹿を見る』というやつです。
善い行いをしたけれど、それを悪くとらえる者もいるってことですね。こちらは、グリーン・ゴブリンがピーターに言ったセリフでもあります。
ノーマン・オズボーン / グリーン・ゴブリン(ウィレム・デフォー)
Peter, Peter, Peter. No good deed goes unpunished.
訳:ピーター ピーター 人助けは報われぬもの
予告の字幕では『no good deed goes unpunished』は『正直者は馬鹿を見る』と訳されていました。
おわり
サントラの日本語訳・解説になりました。サントラを日本語訳してると、シーンを思い出すので楽しいですね。今回は歴代のスパイダーマンのサントラを連想させる曲も多かったです。エンドクレジットには、何曲か過去の曲をそのまま使ったからか、今回のサントラには入っていない曲名と作曲家の名前が映っていましたね。
今回の音楽を担当したマイケル・ジアッチーノ氏はスパイダーマンシリーズの他にも、ディズニーアニメを手掛けています。『Mr.インクレディブル』で初のアニメ映画を手掛け、『レミーのおいしいレストラン』『カールじいさんの空飛ぶ家』『カーズ2』『インサイド・ヘッド』『ズートピア』『リメンバー・ミー』『インクレディブル・ファミリー』など、他にも有名どころだとジュラシックパークシリーズの『ジュラシック・ワールド』『ジュラシック・ワールド/炎の王国』も手掛けています。来る3作品目の『ジュラシック・ワールド/ドミニオン』も担当しています。スター・ウォーズ関係も手掛けていて『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』もマイケル・ジアッチーノ氏です。壮観たる名前ですね。
今回は23曲中の1~12曲目を解説しました。他の記事へのリンクはこちらです。
これまでに色んなMCUのサントラの記事を作っているので、サントラが好きな人はぜひ読んでみてください。MCUのサントラ事情は面白くて、フェーズによって特徴があったりするんですよ!
それではまた違う記事で会いましょう。
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DVD・BD:スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
https://www.sonypictures.com/
(参照2022/05/05)
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