ドラマ『ムーンナイト』(2022年)より
原題『Moon Knight』
ドラマ『ムーンナイト』の第1話『もうひとりの自分』のあるシーンで違和感を覚える日本語字幕が1つありました。そのシーンの英語と日本語字幕を比較していきたいと思います。
違和感を覚えた理由は、原作のムーンナイトの設定を知っていたからです。まず原作のムーンナイトの設定を知った上で、そのシーンを見ていきましょう。
原作のムーンナイトは?
本名:マーク・スペクター
エジプトでひん死の重傷を負った傭兵のマーク。彼はエジプト神であるコンシューを信仰する信者に命を救われ、その神コンシューから力を与えらます。
※ドラマ『ムーンナイト』では、コンシューはコンスと呼ばれていました。
マークには、マーク自身を含めて3つの人格があります。
1.ムーンナイトとして活躍するマーク・スペクター
2.億万長者のスティーブン・グラント
3.タクシー運転手のジェイク・ロックリー
ドラマ『ムーンナイト』
名言
スティーヴン・グラント(オスカー・アイザック)
I’m gonna die. I’m gonna die.
字幕:僕は死ぬんだ
マーク・スぺクター / ムーンナイト(オスカー・アイザック)
Look at me. You’re not gonna die.
字幕:俺を見ろ 君は死なない
Let me save us.
字幕:俺が二人とも救う
シーン:エジプト展を開いている博物館の閉館後、スティーヴンはジャッカルに襲われます。そして、トイレに逃げ込んだときにもう1人の人格であるマークに『制御権を渡せ』と迫られます。
このセリフで気になる点は、こちら『us』の訳です。
Let me save us.
字幕:俺が二人とも救う
訳 :俺が俺たちを救う
『us』の訳が字幕では『二人とも』になっています。現時点ではスティーヴンの中に何人の人格があるのか分かっていません。なので、字幕が『俺たち』となっていれば、見ている側としては『まだスティーヴンの中に他の人格があるんじゃないか?』と考えを巡らせることができます。
そう感じたのも、原作では『マーク・スペクター』『スティーブン・グラント』『ジェイク・ロックリー』の合計3人の人格があるからです。なので、訳が『二人とも』ではなく『俺たち』となっていれば、まだ話に登場していない『ジェイク・ロックリー』の存在も匂わせることができますね。
ただ、日本語字幕の『二人とも』を『自分を含まないで二人』だと解釈すると、3人目の存在はないとは言い切れませんね。
最後に
原作ではマーク・スペクターには自分を含めて3人の人格があると知っていると、何だか思考を巡らせたくなるセリフだったと思います。字幕を付けた方は既に全部の台本を読んで『二人』と訳したのか?またはミスリードを誘っているのか?と色々勘ぐってしまいました。
こういった『日本語と英語の違い』に気付くと面白いですよね。英語の勉強により力が入ります。
では、また英語解説の記事で会いましょう。
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(参照2022/04/08)
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