映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』(2023年)より
原題『Guardians of the Galaxy Vol. 3』
この記事では、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』の最新予告の日本語字幕と直訳の違いをまとめていきます。
予告の字幕はセリフ通りになっているのか?それともウソ字幕なのか?見ていきましょう。
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』予告
1.
ピーター・クイル / スター・ロード(クリス・プラット)
I’m a tell you something…
字幕:聞いてくれよ
訳 :俺はお前に言いたいことがある
I’m Star-Lord.
字幕:俺はスター・ロード
訳 :俺はスター・ロードだ
I formed the Guardians.
字幕:ガーディアンズを結成し
訳 :俺はガーディアンズを結成した
英語の解説
間違った文法
最初のセリフは英語の文法的に間違っており、正しくは以下のようになります。
誤:I’m a tell you something.
正:I tell you something.
机に酒瓶らしきものが何本かあるので、おそらくこのときのスター・ロードはひどく酔っぱらっていて、文法がめちゃくちゃになっているのでしょう。
そして迎えに来たロケットに絡み酒というか、愚痴るように「聞いてくれよ」と自分語りを始めるのがなんだかかわいいですね。
2.
ピーター・クイル / スター・ロード
Met a girl, fell in love…
字幕:ある女の子に恋をした
訳 :ある女の子と出会い 恋に落ちた
…that girl died.
字幕:そして彼女は死んだ
訳 :その女の子は死んだ
But then she came back.
字幕:でも帰ってきた
訳 :でも彼女は帰ってきた
Came back a total dick.
字幕:サイテーな奴として
訳 :最低な奴になって帰ってきた
英語の解説
スラング:dick
意味:嫌な奴、クソ野郎
本来は『男性器、ペ〇ス』を指す言葉ですが、スラングとしては『嫌な奴、ムカつく奴』といったニュアンスで使えます。
3.
ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)
Oh please.
字幕:やめてよ
訳 :やめて
ネビュラ(カレン・ギラン)
You left out some important information
字幕:重要な部分が抜けてるけど…
訳 :あなたはいくつか重要な情報を省いている
but that is the gist of it.
字幕:大体あってる
訳 :でもそれが要点ね
英語の解説
名詞:gist
意味:要点
『get the gist of it』で『要点をつかむ、理解する』という意味になります。
but that is the gist of it.
字幕:大体あってる
訳 :でもそれが要点ね
セリフでは『それが大切なところね』といったニュアンスで使っていますね。
4.
ハイ・エヴォリューショナリー(チャック・イウジ)
My sacred mission… is to create the perfect society.
字幕:私の使命は 完璧な世界を作ること
訳 :私の神聖な使命は 完璧な社会を創造することだ
ロケット(ブラッドリー・クーパー)
He didn’t wanna make things perfect…
字幕:奴は完璧なんて望んでない
訳 :彼は完璧なものを作りたいわけじゃない
…he just hated things the way they are.
字幕:ありのままが許せないんだ
訳 :彼はありのままが嫌だったんだ
英語の解説
熟語:(just) the way they are
意味:ありのまま、現状
『they are』の部分は他の『主語+be動詞』に置き換えられます。
『ありのまま』という言葉を聞くとアナ雪の『Let it go.:ありのままで』を思い出しますね。『Let it go.』についてはこちらの記事で解説しています。
5.
ドラックス(デイヴ・バウティスタ)
I want you all to know that I am grateful to fight beside my friends.
字幕:友と一緒に戦えて幸せだ
訳 :俺はみんなに知ってほしい 俺は仲間のそばで戦えることに感謝しているということを
ハイ・エヴォリューショナリー
Incinerate them.
字幕:焼き払え
訳 :彼らを焼却しろ
英語の解説
SVO+不定詞
want O to do
意味:Oに~してほしい
『want O 不定詞』の形で『Oに~してほしい』という希望を表せます。
セリフでは『I want you all to know ~:私はあなたたちみんなに~だと知ってほしい』となっています。
6.
ピーター・クイル / スター・ロード
We were always searching for a family…
字幕:ずっと家族を探していた
訳 :俺たちはいつも家族を探していた
…until we found each other.
字幕:みんなと出会うまで
訳 :俺たちがお互いを見つけるまでは
Are you ready… for one last ride?
字幕:準備はいいか? 最後の戦いへ
訳 :最後の戦いの準備はいいか?
英語の解説
接続詞・前置詞:until
意味:~まで(継続)
『~までずっと継続して』という意味を持っています。
よくbyとuntilが似ていて間違えやすいと言いますが以下のような違いがあります。
前置詞:by
意味:~までに(期限)
『~の期限までに』という意味を持っています。
セリフを見てみると…
…until we found each other.
字幕:みんなと出会うまで
訳 :俺たちがお互いを見つけるまでは
untilの後に『we found each other』と1文・節が置かれているので、接続詞だと分かります。前置詞ではないのもポイントです。
前置詞は『前置詞+名詞』の形をとります。一方、接続詞は『接続詞+1文・節』の形をとります。
7.
ロケット
We’ll all fly away together…
字幕:みんなで飛び立つぞ
訳 :俺たちみんなで飛び立とう
…into the forever…
字幕:永遠の彼方の…
訳 :永遠に
…and beautiful sky.
字幕:美しい空へ
訳 :そして美しい空へ
このセリフは前回の予告にもありましたね。その予告についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
英語の解説
…into the forever…
字幕:永遠の彼方の…
訳 :永遠に
この『永遠の彼方』って言葉を見ると、トイ・ストーリーのバズのセリフを思い出してしまいます。『無限の彼方へ!さあいくぞ!』ってヤツです。
英語だと『To infinity and beyond!』になります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
8.
ガモーラ
Whoever it was that you were in love with,
字幕:恋に落ちた相手って…
訳 :あなたが恋をしていた相手が誰だろうと
it sounds more like her.
字幕:彼女じゃないの?
訳 :彼女のことのように聞こえる
ピーター・クイル / スター・ロード
That’s ridiculous. Don’t even…
字幕:ありえない
訳 :馬鹿げてる やめてくれ
ネビュラ
Do not bring me into this.
字幕:巻き込まないで
訳 :私をこれに巻き込まないで
英語の解説
熟語:be in love with ~
意味:~に恋する
この前置詞withには目的語がありませんね。このwithの目的語は文頭のwhoeverになります。
もともと『with whoever』という順番でしたが、whoeverが文頭に移動した形になります。
Whoever it was that you were in love with,
字幕:恋に落ちた相手って…
訳 :あなたが恋をしていた相手が誰だろうと
9.
ネビュラ
Knock it off!
字幕:見るな
訳 :いい加減にして!
ピーター・クイル / スター・ロード
I just never noticed how black your eyes were.
字幕:黒目が大きいなって
訳 :俺はただ君の眼がどのくらい黒いのか気づいていなくって
ネビュラ
They were replaced by my father as a method of torture.
字幕:父に拷問されて取り換えられた
訳 :これは父の拷問の方式で取り換えられたの
ピーター・クイル / スター・ロード
He picked a pretty set.
字幕:あいつ趣味がいいね…
訳 :彼はかわいいセットを選んだね
英語の解説
間接疑問文:how black your eyes were
意味:あなたの目がどのくらい黒いのか
本来の疑問文だと『How black were your eyes?:あなたの目はどのくらい黒いのですか?』となりますが、間接疑問文はセリフのように『疑問詞+肯定文』の形で作られます。
おまけ:英語だとスター・ロードとかけている
It’s time to face the music.
字幕:ついに 運命の時が来た
訳 :自分の招いた現実と向き合う時が来た
英語の解説
熟語:face the music
意味:現実と向き合う
直訳すると『音楽と向き合う』となりますが、『現実・自分の招いたことと向き合う』という意味があります。
『music』を使った熟語であり、音楽といったらガーディアンズ、そしてスター・ロードですよね。英語だとスター・ロードとかけている表現だと分かって面白いですね。
最後に
今回も予告の解説が楽しかったです。
個人的に一番面白かったのはココですね。
ピーター・クイル / スター・ロード
I’m a tell you something…
字幕:聞いてくれよ
訳 :俺はお前に言いたいことがある
文法がおかしくなってるのがいいですね。おそらくピーターが酔っぱらっているのが原因なんでしょうが、いや~ピーターが可愛いです。こんなふうに酔っている姿を仲間に見せるのも、また信頼の証しって感じがしますね。
あと、間接疑問文を見るとコレを思い出します。映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で、ノバ軍に捕まったときにスター・ロードが中指を立てるシーンです。
ピーター・クイル / スター・ロード
I’m sorry. I didn’t know how this machine worked.
字幕:失礼 このマシンが勝手に動いて…
いやー、これもスター・ロードっぽくて好きなシーンです。すぐ思い出しちゃいますね。もうセリフ丸まる覚えてます。
今回の解説は以上です。また新しい予告が出たら解説してきたいと思います。
関連記事
参照:Marvel Studios’ Guardians of the Galaxy Vol. 3 | New Trailer
https://youtu.be/JqcncLPi9zw
参照:「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」【銀河一の落ちこぼれチーム最後の大暴れ⁉】
https://youtu.be/1yU5utwQZ5Y
(参照2023/02/13)
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