映画『モービウス』より
原題『Morbius』(2020年)
この記事は映画『モービウス』の予告の字幕と直訳の違いをまとめています。字幕と直訳を比べると、すこし意味が違っているセリフも有ります。英語を直訳した時にどういった訳なのかを見ていきましょう。
予告にあったスパイダーマンについてとMCUの関係、ホームカミングのヴィランのヴァルチャーについてはこちらで記事にまとめました。
予告『モービウス』の字幕と日本語訳の違い
吸血鬼・キリスト教・教会
Michael, I’ve learned you since you were a child
字幕:幼いころから知っているが
直訳:マイケル、私は君のことを子供の頃からずっと知っている。
シスターがいることから場所が教会であることがわかります。予告の後半でコウモリの血を利用するのがわかります。キリスト教では血は神聖なものなので、主人公のマイケル・モービウス自身がキリスト教ならば、自分自身の中でのコウモリの血を自分に利用するのは、宗教的なことを考えると葛藤があったのではないかと考察できます。
キリスト教と吸血鬼・パンパイヤ・ヴァンパイアの関係ですが、キリスト教の祭日には吸血鬼は行動ができなかったといわれています。
英語の解説
・現在完了
『have 動詞の過去分詞』で現在完了の表現が使われています、これは継続の意味を表しています。意味は『ずっと~してる』
・接続詞と前置詞のsince
このsinceは現在完了で使われることが多いですが、現在完了以外でも使えます。今回のセリフではsinceの後にyou were ~とSV、1文が来ているので接続詞のsinceになっています。
Please!
字幕:やめて!
直訳:お願いやめて!
英語の解説
・Pleaseは略
『Please don’t do that.』あるいは、『Stop that, please』の略でしょう。意味は、『それをやめて下さい』です。
幼いころのモービウスが子供たちに暴力を振るわれています。松葉杖を使っていたりする子供は、周りの子供からいじめの対象になりがちですね。この幼少期のいじめられたことがトラウマなどになっている伏線なのかもしれませんね。
病院とノーベル賞
You have a gift. You always have.
字幕:君の才能は、計り知れない
直訳:君は才能を持ってるんだ。いつだってそうだ。
このモービウスに声をかけているのはこの医者のようですね。子供の頃から付き添い、大人になっても付き添っていることから、信頼関係にあるようです。
英語の解説
・gift
ギフトと言うと、『贈り物』という意味もありますが、『天賦の才能』という意味もあります。映画ではよくこの『天賦の才能』の意味で使われることが多いです。MCUのトム・ホランド演じるスパイダーマンに対して使われることもありました、そして、映画『スパイダーマン2』でもドクター・オクトパスがトビー・マグワイア演じるスパイダーマンに対してもgiftを使っていました。詳しくはこちらで解説しています。
If there’s an answer to the disease, you’ll find it.
字幕:君の病気を治せるのは、君だけだ
直訳:病気の答えがあるとすれば、君がそれを見つけるだろう
ノーベル賞を受け取っているシーンですね。後ろに写っている文字は『NOVEL PRIZE IN PHYSIOLOGY OR MEDICINE DR. MICHEL MORBIUS』『ノーベル生理学医学賞 マイケル・モービウス博士』と書いてあります。具体的な内容までは分かりませんが、こういったシーンがあることで、モービウスが天才的な頭脳を持っているのがわかります。
英語の解説
・品詞
英語で大切なのは品詞です、ここではanswerが名詞として使われていますが、動詞としても使うので覚えておきましょう。基本的なことですが、慣れ親しんだ単語で意識していくことが大切です。
・代名詞it
この代名詞のitは目的格で、『an answer to the disease』『病気の答え』を指しています。受験とかで代名詞が指しているのは?って問題はよく見ますね。
医者、そして命を救う側へ
I should have died years ago
字幕:運命なのか
直訳:私は何年も前に死ぬべきだった
セリフの字幕と直訳で大きく違いますね。セリフの直訳『私は何年も前に死ぬべきだった』このセリフを考察すると、誰かの代わりに生き残ったような意味に捉えられます。そして、吸血鬼になった後のセリフにも聞こえます、コウモリの血清に手を出さず死ぬべきだった、と。少し意味深なセリフに聞こえますね。
英語の解説
・should have 過去分詞
意味:~すべきだった
『実際にはしなかった・起きなかった』ことを表すことができて、後悔している意味合いが含まれています。日本語訳を見ると、後悔しているのがわかりますね。
Why am I still here if not to fix this?
字幕:この病気を治すことが?
直訳:なぜこの病気を治せないのに、私はここにいる
幼いころは、病院で看病をしてもらう側だったモービウスが、大人になり医者として、病院で看病をする側に。しかし、ノーベル賞をもらい天賦の才はあれど、自分の病気を治せないでいる自分に葛藤をする。
英語の解説
・Why am I ~?
Iを主語にしたbe動詞の疑問文はなかなか学校では見かけませんが、もちろんIを主語にした疑問文は作ることができます。
・if not to fix this
この接続詞節の『if not to fix this』には主語と動詞である、SVがありません。これは省略がされていて元は、『if I am not to fix this』です。
この主語と動詞が省略される場合には条件があり、以下の通りです。
①(時・条件・譲歩の)接続詞
②接続詞節の主語が、主節の主語と同じ(今回はWhy am I still hereのIと省略される主語Iが同じ)
③接続詞節の動詞がbe動詞
I have a rare blood disease, and I’m running out of time.
字幕:忌々しい血液が、命を蝕んでいく
直訳:私は稀有な血液疾患を持ち、時間が無くなっていく
モービウスの持つ、稀有な血液疾患が原因で、残された時間が刻一刻と無くなっていく。残された時間が少ないことをキッカケに、彼はコウモリの血清に手をだすのだ。
英語の解説
・形容詞rare
意味:めずらしい・まれな・稀有な
友達に、直訳を『稀有な』と訳したら、厨二病あつかいをされました(笑)
・おまけ・否定の意味を持つ副詞rarely
意味:めったにない
否定の意味を持つ副詞なので覚えておきましょう。試験でよく狙われる副詞です。
・run out of ~
意味:~を使い果たす
run out of timeで『時間を使い果たす』。セリフでは現在進行形で使われています。
最後に
セリフと予告の画像をじっくり考察していくと、字幕からは分からないことが分かってきます。記事をまとめていて、キリスト教の教会と吸血鬼の関係が面白いと感じました。セリフの中には、モービウスが吸血鬼となった後に言ってるのではないか?と、考察できるセリフも有りました。引き続き映画『モービウス』の予告の日本語訳をしたいと思います。気になるのが、予告で使われている、BGMが『エリーゼのために』ですが、何か意味があるのだろうか?
今回の記事は前編です、続きの記事の中編はこちら、最後の記事の後編はこちら
この記事が、読んでいただく方々の英語への興味や関心に繋がったり、英語が楽しく感じるキッカケになってほしいと思い、記事を書きました。
今後もこの気持ちで、英文を読み取ることでわかる心境や、心に響くかっこいい名言を探し紹介し、更に英語の勉強にもなるよう解説していきたいと思います。
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【映画モービウス】MCU入り?、トビー・マグワイアのスパイダーマン?【解説・考察】
https://youtu.be/_tb7mcU_po0MORBIUS – Teaser Trailer
https://www.youtube.com/watch?v=jLMBLuGJTsA&t=7s
(参照2020/01/14)
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