MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズのフェーズ3で公開された『ブラックパンサー』。
アフリカにあるワカンダの国王として生きる主人公ティ・チャラ。国のことを第一に考えるその様は本当に人間としてのお手本のようだ。
そして、ハイテク技術とアフリカ民族の文化のハイブリッドのワカンダの世界観に引き込まれた方は多いのではないでしょうか。そして、あの口ずさみたくなるセリフ『ワカンダ・フォーエバー!』
この記事では、この映画『ブラックパンサー』の名言と名シーンをまとめ、紹介します。
映画『ブラックパンサー』より
時系列は、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の後になります。
映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でブラック・パンサーはMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に初登場しました。
そして、名前が間違えやすいと思うので先に解説を、
主人公の現国王となるブラックパンサーの名前が、ティ・チャラです。
主人公の父、先代国王・ブラックパンサーの名前が、ティ・チャカです。似ていますね。
1.よかろう
ウンジョブのセリフ
This is James. He stays with your permission, King T’Chaka.
字幕:彼はジェームズ。同席させてください、ティ・チャカ国王。
ティ・チャカのセリフ
As you wish.
字幕:よかろう。
シーン:映画の冒頭、1992年にワカンダ国王ティ・チャカが、弟のウンジョブのもとを訪れるシーン。
ウンジョブはクロウにヴィブラニウムの情報を流した裏切り者だと言われますが、それを否認します。しかし、彼の仲間ジェームズは、実はワカンダのスパイのズリであり、すべてバレていました。
『As you wish.』は基本的に下の立場の人が上の立場のの人に使うことが多いです。しかし、国王であるティ・チャカは下の立場のウンジョブに対してこの言葉を使っています。兄弟であることもあり、対等な立場であろうとするティ・チャカの心遣いが感じられると思います。
英語の解説
接続詞:as
意味:~のように、~の通りに
熟語:as you wish
意味:仰せのままに、あなたが望む通りに
映画でもよく使われる表現です。MCUだとジャーヴィスも言っていました。スター・ウォーズのダース・ベイダーの名言としても有名ですね。
2.お前は国王になるの
ラモンダのセリフ
He is with us and it is your time to be king.
字幕:共にいらっしゃる。お前は国王になるの。
訳:彼は私たちと共にいる。そして、あなたが王になる時がきた。
シーン:映画の序盤、任務から戻ったティ・チャラが母のラモンダや妹のシュリに出迎えられるシーン。
父が急に亡くなってしまい、まだ国王になる心の準備ができていなかったティ・チャラに対し、母のラモンダが「父上もこの時を楽しみにしていた。彼も共にいらっしゃる。お前は国王になるの。」と励ましの言葉を贈ります。この心の準備ができていないティ・チャラに対して、死んだ父、ティ・チャカは夢の世界で彼を励まします。
英語の解説
熟語:it is time ~
意味:~の時だ
不定詞:to be king
意味:王になるべき
3.子供の覚悟が決まる前に死ぬ男は父親失格だ
ティ・チャカのセリフ
A man who has not prepared his children for his own death has failed as a father.
字幕:子供の覚悟が決まる前に死ぬ男は父親失格だ。
訳:子供に自分の死の準備をしない男は父親として失敗だ。
Have I ever failed you?
字幕:私は父親失格か?
訳:私はお前の期待に沿えなかったか?
ティ・チャラのセリフ
Never.
字幕:いいえ
訳:一度もありません
シーン:ティ・チャラが王位継承の儀式を終え、再びブラックパンサーの力を授かるために神秘のハーブを飲み眠りについた後、夢の中で父と再会するシーン。先代国王のティ・チャカがテロによって殺害されたことによって、ティ・チャラは国王になることに。ティ・チャラは心の準備ができていませんでした。しかし、父であるティ・チャカは夢の中で息子であるティ・チャラを励ますのです。
父が『私は父親失格か?』と問い、息子に否定させる。このやり取りに父と子の信頼関係が垣間見えます。
直訳しようとすると少しわかりにくくなってしまいますね。字幕のように関係代名詞部分を「子供の覚悟が決まる前に死ぬ」と訳すとしっくりくる上に、かっこいいですね。
英語の解説
関係代名詞(主格):who has not prepared his children for his own death
意味:子供に自分の死の準備をしない
直前のa manを修飾しています。
熟語:prepare A for B
意味:AにBを準備する
4.国のためなら ためらわない
ウカビのセリフ
Would you kill me, my love?
字幕:私も殺すのか
訳:私を殺すのか、愛する人よ
オコエのセリフ
For Wakanda. Without question!
字幕:国のためなら ためらわない
訳:ワカンダのためなら 問題ない
シーン:キルモンガーによって乗っ取られたワカンダ、キルモンガーの側についたウカビが愛するオコエに、『自分をも殺すのか?』と問うが、オコエは『国のためなら、ためらわない』と返す。
ワカンダ人の愛国心が表れているシーンです。オコエとウカビは恋人同士ですが、その関係よりもオコエはワカンダを取るのでした。映画『ブラックパンサー』の1つの特徴としてオコエを筆頭に女性が活躍していますね。他の映画にはない特徴だと思います。ブラックパンサーが国に戻ったときの出迎えは女性たちでしたね。
このセリフは、Without question.の字幕が、『ためらわない』と素晴らしい翻訳がされていて、翻訳家の力量が表れていますね。
英語の解説
前置詞:without ~
意味:~なしに
否定の意味を持つ前置詞、学生で苦手な方が多い印象があります。映画とかでカッコいい!って思ったりするセリフにはこのwithoutがよく使われるので、このセリフで覚えてほしい。
5.鎖より死を選んだんだ
エリック・キルモンガーのセリフ
Just bury me in the ocean with my ancestors that jumped from the ship.
字幕:海に沈めてくれ。先祖は船から身を投げた。
訳:船から飛び降りた先祖と共に、俺を海に埋めてくれ。
‘Cause they knew death was better than bondage.
字幕:鎖より死を選んだんだ。
訳:なぜなら、先祖は束縛よりも死が良いと知っていたからだ。
シーン:ブラックパンサーとキルモンガーの決着はブラックパンサーの勝利で終わった。キルモンガーは子供の頃、父に『ワカンダは美しい国だ、いつか見せる』と言われていました。子供の頃から聞いていた父からののおとぎ話、それが実現した時です。その美しいワカンダの夕日を2人で眺める、ブラックパンサーは傷の手当てを勧めるが、キルモンガーはそれを断り、死を選ぶのでした。
英語の解説
関係代名詞(主格):my ancestors that jumped from the ship
関係代名詞部分の”that that jumped from the ship”が先行詞のmy ancestorsを修飾しています
意味:船から飛び降りた先祖たち
口語:’Cause
意味:なぜなら
これはbecauseの短縮形です、会話などでみます
接続詞のthat:knew (that) ~
意味:~なことを知っていた
このセリフは『they knew death was better than bondage.』
『彼らは束縛より死の方が良いと知っていた』赤と青の部分で区切ることで訳しやすくなります。
この接続詞のthatは省略されることもあり、『say that』や『think that』でよく使います。
熟語:A is better than B
意味:AはBより良い
比較の表現です
6.実際には違いより、共通点の方が多いのです
ティ・チャラ/ブラックパンサーのセリフ
More connects us than separates us.
字幕:実際には違いより、共通点の方が多いのです
訳:私たちを分けるものより、私たちを繋ぐものの方が多いのです。
シーン:エンディングの後のワカンダ国王、ティ・チャラの演説のシーン。演説はどのセリフも心に響きました。私は一番このシーンが好きです。
人間、他人との違いや優越に目が行きがちだと思います。しかし、そういった違いではなく、共通なものに目を向けよう、共に生きていく道を模索しようとしている国王ティ・チャラ/ブラックパンサーのセリフです。このシーンのワカンダの代表として出席している4人中3人が女性ですね。
字幕が直訳した場合とでは少し違いがありますが、字幕はシンプルで分かりやすいですね。
英語の解説
一般動詞:connect
意味:繋げる・関係がある
文法:三人称単数の”s”
主語が、三人称単数で、時制が現在の場合、一般動詞に”s”が付きます。
この英文の一般動詞のconnectに”s”が付いています。英語を勉強し始めの人は気を付けてほしいポイントです。
名詞:connection
意味:関係
日本語で、コネがあるのコネは名詞です。
7.危機に瀕した時 賢者は橋をかけ 愚者は壁を作る
ティ・チャラ/ブラックパンサーのセリフ
But in times of crisis, the wise build bridges while the foolish build barriers.
字幕:危機に瀕した時 賢者は橋をかけ 愚者は壁を作る。
訳:しかし危機の時代には、賢者は橋をかけ、愚者は壁を作る。
シーン:こちらも、エンディングの後のワカンダ国王、ティ・チャラの演説のシーン。演説はどのセリフも心に響きました。私は一番このシーンが好きです。
今までワカンダは他国との接点を最小限にしてきましたが、ティ・チャラが今までのワカンダのありようを変え他国と共存の道を探そうとしています。この他国と接点を作らない今までのワカンダ、壁を作っていた自分達を変え、橋をかけていこうという、これからのワカンダを他国に伝えるシーンは心に響きました。
英語の解説
the + 形容詞
意味:形容詞な人たち
複数形として扱います、証拠として、the wise buildの”build”が原形になっていますね。これは主語が三人称単数ではないことでもあります。
the wise
意味:賢い人たち、賢者
the foolish
意味:愚かな人たち、愚者
最後に
映画『ブラックパンサー』の名言・名シーンをまとめました。
主人公のブラックパンサー/ティ・チャラはもちろん、キルモンガーや強い女性陣も魅力的です。自分の好きなシーンやセリフはありましたか?私はこのシーンが好き!などありましたら気軽にコメントをしてください。あと、ブラックパンサーの最後の演説はどのセリフも良いですよね。特に良かった2つのセリフをここでは抜粋しました。他の記事で演説をすべて解説しているので良ければこちらをどうぞ。
今後もキャラクターを絞り、名言・名シーンをまとめ、英語の解説をしていきます。
おまけ:各部族にカラーがありその色を服装や武器に取り入れています。
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(参照2020/03/21)
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