これまでのMCUの音楽を担当した作曲家をまとめていきたいと思います。この記事は続きの記事で、前回の記事はこちらです。また、続きの記事はこちらです。
前回の記事では『アイアンマン』『キャプテン・アメリカ』『マイティ・ソー』『アベンジャーズ』シリーズをまとめたので、他のヒーロー達を紹介します。
映画と作曲家
ヒーローで見る作曲家
ヒーローとその作曲家の関係性を見ていきます。
それぞれの作品のオススメの曲も紹介しています。
『インクレディブル・ハルク』シリーズ
MUCの世界観を共有する映画『インクレディブル・ハルク』で主人公ハルクを演じるのは、映画『アベンジャーズ』でハルクを演じたマーク・ラファロではなく、エドワード・ノートンです。MCUで俳優が変わったキャラクターは珍しいですね。
おススメの曲はやはりオープニングで流れた『Main Title』(メイン タイトル)です。この曲が流れているときのオープニングでハルクが生まれるまでの過程を描いていましたね。バナー博士がガンマ線の実験をし、ハルクに変貌するシーンが流れます。ハルクに変貌し恋人のベティを傷つけてしまい、さらにベティの父親のロス将軍にも危害を加えてしまいます。このオープニングのシーンとサウンドトラックだけで、バナー博士がハルクになるという、いわゆるハルクの誕生秘話を消化してしまいます。
どの単独映画でも、最初にそのヒーローの誕生秘話を写してから始まりますが、ハルクは例外になってしまっていますね。これは映画『ハルク』が2003年に公開され、この映画『インクレディブル・ハルク』は2008年の公開と、5年の間隔しか開いていないので、世界線は違えど『ハルク』を見ている人は見なくても分かるであろう、初めての人はオープニングだけでも分かるであろうという判断なのでしょう。そして、MCUではスパイダーマンも同様に誕生秘話がありません。映画『スパイダーマン:ホームカミング』は配給がソニーであることも関係しているのでしょう。
誕生秘話の話に脱線してしまったのでオープニングの話に戻ると、この『Main Title』が流れるオープニングからはハルクの誕生秘話だけでなく、ロス将軍がハルクを追跡していることも分かります。さらに兵器が写ったシーンではその兵器がアイアンマン/トニー・スタークの会社であるスターク・インダストリーズ製であることが示されおり、意味深な書類にはシールドの長官であるニック・フューリーの名前も記されています。
この『Main Title』を聞きながら、ハルクの誕生秘話に加え、このハルクがアイアンマンと世界観を共有することをほのめかすシーンを味わえます。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズは現在2作品あります、その両方が同じ作曲家になります。この流れを見ると、来る『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の3作品目も同タイラー・ベイツになるのではないでしょうか。『ガーディアンズ』はサントラもとても良いのですが、おそらく挿入歌・洋楽の方を思い出す人が多い作品だと思います。
上の画像のタイミング、映画のタイトルが映し出された時に流れた『Come and Get Your Love』、そしてエンディングの前に流れた『Ain’t No Mountain High Enough』、続編の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』で流れた『Mr. Blue Sky』に『Brandy (You’re A Fine Girl)』は好きな方は多いのではないでしょうか。
このタイラー・ベイツは『ガーディアンズ』シリーズ以外にはMUCでは作曲を行っていません。こういったこのシリーズにはこの作曲家を起用する!といった流れは、このあたりから徐々に見えてきます。
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
おススメは『To the Stars』(星へ)です。悲しい雰囲気をかもし出すこの曲は、子供の頃のピーター・クイルが母親のメレディス・クイルの最期を見届けるときに流れた曲です。死ぬ間際に母メレディスはピーターに『Take my hand.』(手を取って)と言うのですがピーターはその手を取ることはできませんでした。しかし、映画の最後、ピーターがインフィニティ・ストーンを手にしたときに同じセリフをガモーラが言います。『Take my hand.』と、この時ピーターはガモーラの姿が母メレディスに見え、子供の頃にできなかった手を取ることができました。
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
この映画で印象深かったシーンの1つ、ヨンドゥがピーターを自分の命を引き換えに守るシーン。この時に流れた曲『Dad』(オヤジ)がおススメです!すごくしんみりします。
ヨンドゥが最後にピーターに対して
ヨンドゥ
He may have been your father, boy. But he wasn’t your daddy.
奴は父親かもしれんが オヤジじゃなかった
ピーターがヨンドゥの葬儀をするとき
スター・ロード/ピーター・クイル
I had a pretty cool dad.
俺は本当に最高のオヤジを持ったよ
このピーターのセリフにある“dad”が曲のタイトルになっています。
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は実の親子であるエゴとピーター、そして育ての親(オヤジ)と子であるヨンドゥとピーターの物語だと思います。
『アントマン』シリーズ
『アントマン』シリーズは2作品あり、作曲はクリストフ・ベックが担当しています。『ガーディアンズ』シリーズに引き続き、このシリーズにはこの作曲家を起用する!といった流れが見えてきますね。アントマンは聞いていて楽しい曲が多いです。
映画『アントマン』
おススメは『Theme from Ant-Man』(アントマンのテーマ)です。アントマンと言えばこの曲!アントマンの代名詞ともいえる曲でしょう。明るくポップで、カッコいいんだけどカッコよすぎない、どこか抜けてる感じが主人公のスコット・ラングにぴったりではないでしょうか。
MCUの世界のヒーロー達は、完璧な人間というよりはどこか弱い部分があり、それを乗り越えていくのが特徴です。例えばアイアンマン/トニー・スタークは頭脳明晰で大富豪と誰しもうらやむ存在だが、人間性に一難あり、自己中心的でいつも周りを振り回します。まぁ、そこが可愛くていいところでもあるのですが。
このアントマンのスコット・ラングもなかなかの曲者です。まず泥棒であるということです。前科者が主人公のヒーローの映画なんて見たことも聞いたことも無いですね。離婚をしていて愛娘のキャシーには自由には会えず…しかし性格は明るく楽天的で、見ていて落ち着く存在です。さらに取り巻きのルイスの天然っぷりというか天真爛漫さも、この曲『Theme from Ant-Man』に集約されていると感じます。
映画『アントマン&ワスプ』
実は映画のタイトルに女性ヒーローの名前が入ったのはこの作品が初なんです。この次に映画館で公開されたのが女性ヒーローが主人公の映画『キャプテン・マーベル』になります。
作曲家が前作と同じでアリ、曲の中には前作で使われた曲のアレンジも多いです。おススメはアレンジ曲の『World’s Greatest Grandma』(世界一のおばあちゃん)です。このタイトルの『World’s Greatest Grandma』とは何のことかと言うと、映画の冒頭でスコットと娘のキャシーが家の中で段ボールハウスの迷路で遊んでいましたよね。そこの宝物としてキャシーが用意したのがスコットのトロフィーです。そのトロフィーの台座に刻まれた文字がこの『World’s Greatest Grandma』です。さらに、このトロフィーの中にはアントマンのスーツが隠されているんですね。
最後に
今回 『インクレディブル・ハルク』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『アントマン』シリーズを紹介しました。『ガーディアンズ』と『アントマン』は既に2作品あり、曲も2作分です。続編の曲の中には前作のアレンジもあり、曲を聞くだけでこの曲はこのヒーローの映画だ!とすぐわかります。新しい曲も楽しみですが、アレンジはアレンジで楽しみの1つですね。
続きの記事では『ドクター・ストレンジ』『スパイダーマン』『ブラックパンサー』『キャプテン・マーベル』の曲も紹介し、作曲家が携わった他の映画も紹介していきたいと思います。
よろしければ好きなサントラや曲をコメントで残してください!それではまた次の記事で会いましょう。
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BD・DVD:アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
BD・DVD:インクレディブル・ハルク
BD・DVD:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
BD・DVD:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
BD・DVD:アントマン
https://marvel.disney.co.jp/movie.html
(参照2020/10/26)
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