MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズのアベンジャーズのリーダーであるキャプテン・アメリカ。
彼の1番の有名であろう名言の『I can do this all day.』、日本語で『まだやれるぞ』があります、しかしシーンによっては『まだやれるぞ』ではない場合もあります。
このセリフは劇中で何度か使われていて、合計4回使われています。しかし、4度使われたと思っていたのですが、3回は『I can do this all day.』ですが、1度は『I could do this all day.』と言っているシーンがあります。
この『can』が『could』に変わったことで、字幕からは分からいキャプテン・アメリカの心情描写、心情の変化を解説します。
以前こちらの記事でもこの2つの違いは解説をしました。その記事ではcouldは、推量(かもしれない)の意味である。と解説をしたのですが、今回はcouldは仮定法として使われている。という切り口で解説します。
前回も仮定法で解説をしようと思っていたのですが、仮定法は難しい面もあるので解説をしなかった次第です。今回は仮定法の内容にも触れて解説をしていきます。
それでは、どうして『I could do this all day.』と言ったのか?解説していきます。まずは、『I can do this all day.』の3つのシーンを見ていきましょう。
『I can do this all day.』のシーン
キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)が『I can do this all day.』と言ったのは合計3回です。
映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』1度目
キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャース
I can do this all day.
字幕:絶対 嫌だ
訳 :私はこれを 一日中やれるぞ
吹替:絶対あきらめない
シーン:裏路地でスティーブ・ロジャースが、キャプテン・アメリカになる前に言いました。キャプテン・アメリカだから言うセリフではなく、スティーブだから言う。そう感じさせてくれますね。
映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』2度目
キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャース
Nothing. I’m just a kid from Brooklyn.
字幕:何も ただのガキだ
訳:何もない 私はただのブルックリンのガキだ
吹替:何も ブルックリン出のガキだ
I can do this all day.
字幕:あきらめないぞ
訳 :私はこれを 一日中やれるぞ
吹替:絶対あきらめない
シーン:2度目は、キャプテン・アメリカがヒドラの基地に単騎で突入し、囚われてしまい、レッド・スカルと超人血清の話をしているときに言われました。超人血清を打ったもの同士なのが良いですね。
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』3度目
キャプテン・アメリカ(2012年)
I can do this all day.
字幕:まだやれる
訳 :私はこれを一日中できる
吹替:まだやれるぞ
キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャース
Yeah, I know. I know.
字幕:だろうな 知ってるよ
訳 :あぁ 分かってる 分かってるよ
吹替:だろうな 分かってる
シーン:こちらは、キャプテン・アメリカなのですが、タイムトラベルをした先にいた時間軸の異なるキャプテン・アメリカになります。キャプテン・アメリカがキャプテン・アメリカと戦う。予想だにしていないシーンですね。
『I could do this all day.』のシーン
上で紹介したシーン3つは、『I can do this all day.』と助動詞がcanでした、しかし『I could do this all day.』と言っているシーンがこちらです。
私は長らく次のシーンも『I can do this all day.』と勘違いしていました。以前の記事でも4回『I can do this all day.』と言っていた!と解説をしてしまっていました。
映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)より
アイアンマン / トニー・スターク
Stay down. Final warning.
字幕:投降しろ これが最後だ
訳 :座ったままでいろ 最終通告だ
吹替:投降しろ 最後の警告だ
キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャース
I could do this all day.
字幕:まだやれる
訳 :僕はこれを一日中やれるだろう
吹替:まだやれるぞ
シーン:トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)が、両親を殺したのがウィンター・ソルジャーである事実を知り、戦いが始まってしまう。見ているこっちも心苦しいシーンですが。ここであのキャプテン・アメリカの名台詞が言われるのですが、『I can do this all day.』ではなく、『I could do this all day.』になっていました。
この助動詞のcouldは何を表しているのか?それは仮定法になります。
仮定法・助動詞の過去形
仮定法はよく、ifを目印に考えるがちですが、ifは省略されることもあるので、助動詞の過去形を見つけたら仮定法だと考えましょう。
仮定法過去
If 主語 過去形, 主語 助動詞の過去形(could等) 動詞の原形.
意味:もし~ならば、~だろう
キャプテン・アメリカのセリフは仮定法の『主語 助動詞の過去形(could等) 動詞の原形.』の部分になります。なのでif節の『If 主語 過去形,』の部分はこの文脈からの流れで考えると以下のようなものになると思います。
If you fought with me, I could do this all day.
字幕:まだやれる
訳 :もし 君が僕と戦うならば 僕はこれを一日中やれるだろう
字幕では、『まだやれる』と訳されていますが、仮定法だと考えると『まだやれるだろう』と訳すと良いでしょう。そうすると、キャプテン・アメリカはやれると言い切っていません。なので、内心トニーとは戦いたくなかったのかもしれません。
トニーは両親を殺されたことをキッカケに我を忘れ、かつての友達であるスティーブとバッキーを手にかけようとしました。しかし、スティーブは友達であり、仲間であるトニーを手にかけたくないという気持ちがこの助動詞の過去形couldに表れているのかもしれません。
今まで『I can do this all day.』と言っていたけれど、この場面だけは、戦いたくない気持ちから、『I could do this all day.』になったのも頷けます。
最後に
映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の時だけ、『I could do this all day.』でしたね。
日本語字幕だと『まだやれる』だったので気付きませんでしたが、仲間と戦うこの場面だけは違っていたとは…
英語を訳すことによって、スティーブのトニーとは戦いたくない気持ちを知ることができて、より作品の理解度が増しました。
キャプテン・アメリカファンにはぜひ知って欲しい事実ですね。
英語・原文を知ることで、より映画を楽しめると楽しいですよね。今後もこういった日本語字幕からは分からない、英語からわかることを発信していきたい。
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DVD・BD:キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
DVD・BD:シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
DVD・BD:アベンジャーズ/エンドゲーム
https://marvel.disney.co.jp/movie.html
(参照2021/07/28)
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