『ブラックパンサー』国王ティ・チャラの演説シーンを日本語訳【チャドウィック・ボーズマン 一周忌】

『ブラックパンサー』国王ティ・チャラの演説シーンを日本語訳【チャドウィック・ボーズマン 一周忌】

映画『ブラックパンサー』(2018年)より

原題『Black Panther』

 

映画『ブラックパンサー』の最後、国王ティ・チャラの演説シーンのセリフを字幕、訳を比較し、英語の解説をします。

もとの英文と字幕、訳の違いや、意訳なのか誤訳なのかを見て行きましょう。

 

この記事を公開した日は、2021/08/28です。本日は、ブラックパンサー / ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンの一周忌です。

なので、チャドウィック・ボーズマンに想いを馳せて、この記事を送りたいと思います。

 

映画『ブラックパンサー』ティチャラの演説

1.

ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌 ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌

My name is King T’Challa… son of King T’Chaka.

字幕:私は国王ティ・チャラ ティ・チャカの息子で

訳 :私の名は 国王ティ・チャラ… 国王ティ・チャカの息子です

熟語:My name is ~

意味:私の名前は~です

学校で最初に習うであろう表現のMy name is ~ですが、日常ではあまり使われずフォーマルな場面で使います。通常はI’m ~を使います。

このシーンは首脳たちの前での演説になります。こういったフォーマルな場ではMy name is ~の方が適していますね。こういう言葉選びに注目してみるのも面白いですね。

余談ですがI amよりI’mの方を多く使います、日常では基本的に短縮形を使うことが多いです。じゃあI amはいつ使うのか?詳しくはこちら

 

I am the sovereign ruler of the nation of Wakanda.

字幕:ワカンダ王国の統治者となりました

訳 :私はワカンダ王国の統治者です

名詞

sovereign:国王

ruler:統治者

nation:国家

 

2.

ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌 ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌 ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌

And for the first time in our history… we will be sharing our knowledge and resources… with the outside world.

字幕:ワカンダ史上初めて 知識と資源を 世界の皆さんと分かち合います

訳 :我が歴史上初めて… 我々は知識と資源を分かち合います… 外の世界と

熟語:for the first time

意味:初めて

熟語:share A with B

意味:AをBと分けあう

 

Wakanda will no longer watch from the shadows.

字幕:陰から見守るのはもうやめます

訳 :ワカンダはもはや陰から見ることはしません。

熟語:no longer

意味:もはや~ない

過去ではそうだったが、今はそうではないという意味を表します。

no longerは副詞として扱われているので、否定文のnotと同じ位置に入ります。

ワカンダが変わろうとしている。ティ・チャラが今までの国と同じではいけないという思いが伝わってきますね。

 

We cannot. We must not.

字幕:これ以上傍観できない

訳 :できないのです してはいけないのです

助動詞:must

意味:~しなければならない

mustと言えば、have toの書き換えですね。そして、must notとdon’t have toが同じ意味と間違われることがありますが否定の時の訳は大きく変わります。

must not:~してはいけない、禁止

don’t have to:~する必要はない

チィ・チャラの強い思いが感じられます。

 

3.

ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌 ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌

We will work to be an example of how we… as brothers and sisters on this earth… should treat each other.

字幕:我々から率先し 地球に生きる仲間を家族として大切にします

訳 :地球に生きる我々が 互いを兄弟姉妹のように どう扱うべきなのか? その模範となりたい

訳してみると字幕と違いを感じるセリフですね。模範(an example)が率先するという言葉で現れていますね。

熟語:treat A as B

意味:AをBのように扱う

倒置・文法の解説

セリフが倒置があり、難しいの訳しやすくします。セリフは間接疑問文なので、倒置無しの文にしてただの疑問文にします。

how we… as brothers and sisters on this earth… should treat each other.

⇒How should we treat each other as brothers and sisters on this earth?

訳:地球に住む私たちは お互いを兄弟姉妹のように どう扱うべきだろうか?

 

Now, more than ever… the illusions of division threaten our very existence.

字幕:もしこのまま対立の風潮が続けば 人類は存続も危うい

訳:今まで以上に… 見解の相違が まさに私たち存在そのものを脅かしています

熟語:now more than ever

意味:今まで以上に

意訳

『the illusions of division』をそのまま訳すと『分裂の幻影』となってしまいますが。

文脈から『見解の相違』と訳してみました。

形容詞:very

意味:まさに

よく目にするveryは副詞で、形容詞や副詞を修飾します。

今回はour very existenceと、形容詞のveryが名詞のexistenceを修飾しています。

 

4.

ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌 ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌

We all know the truth.

字幕なし

訳 :私たちは皆 真実を知っています

副詞:all

allを『主語はすべて(みんな)』という意味で使う場合は、『all』の位置にルールがあります。

 

be動詞:be動詞の後

一般動詞:一般動詞の前

助動詞:助動詞の後

 

セリフは一般動詞(know)なので、一般動詞(know)の前にallがあります。

We all know the truth.

 

More connects us than separates us.

字幕:実際には違いより 共通点の方が多いのです

訳 :私たちをへだてるものより 私たちを繋ぐものの方が多いのです

このセリフは初めて聞いたとき感動しました

文法の解説 ちょっと難しいです!

セリフMore connects us than separates us.の文法はどうなっているの?と感じる方が多いと思います。色々省略などが起きているため分かりにくいので以下の英文が元だと考えてください。

 

原文:More connects us than separates us.

例1:There is more that connects us than there are things that separate us.

例2:There is more that connects us than what separates us.

訳 :私たちを繋ぐものの方が多いのです 私たちをへだてるもの より

 

例1だとthereを使って接続詞(that)の前と後ろで比較されている感じ。

例2だと元のセリフと同様に一般動詞がseparatesと三人称単数のsが付きます。

 

5.

ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌 ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌

But in times of crisis… the wise build bridges… while the foolish build barriers.

字幕:危機に瀕した時 賢者は橋をかけ 愚者は壁を造ります

訳 :しかし危機の時 賢者は橋を造り 愚者は壁を造る

形容詞の表現

作り方:the 形容詞

意味:~な人たち、~なもの

the wise:賢い人たち

the foolish:愚かな人たち

 

6.

ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌 ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌

We must find a way… to look after one another… as if we were one, single tribe.

字幕:他者を受け入れ 慈しみ合いましょう 人類は 1つの民族として生きるのです

訳 :私たちは1つの民族であるかのように 互いを支え合う方法を見つけなければなりません

名詞:way

意味:方法、道

意外と方法って意味で使うことが多いwayです。よく『find the way』で『方法を見つける』と使います。印象的だった例は、MCUではないのですが、映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の最後、マルコム博士が恐竜たちは『生き方を見つける』という意味で『find the way』といいました。

熟語:look after ~

意味:~の世話をする、支え合う

類語:take care of ~

熟語:one another

意味:お互い

類語:each other

仮定法:as if ~

意味:まるで~であるように

~部分には、仮定法過去と、仮定法過去の両方が用いられます。

仮定法過去:まるで~であるように ※過去形(were)を使う

仮定法過去完了:まるで~であったかのように ※過去完了(had done)を使う

 

最後に

ブラックパンサー 演説 チャドウィック・ボーズマン 一周忌

演説シーンは本当に良いですね、黒人であるブラックパンサーが言うことでまた言葉に重みが増すと思います。

ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021年)の、ファルコンの演説もそうでしょう、日本だとあまり感じないですが、人種差別はまだあります。

 

演説の中ではこのセリフが好きです。

More connects us than separates us.

字幕:実際には違いより 共通点の方が多いのです

 

But in times of crisis… the wise build bridges… while the foolish build barriers.

字幕:危機に瀕した時 賢者は橋をかけ 愚者は壁を造ります

 

映画『ブラックパンサー』を見直してきたいと思います。何度も見るたびに良いセリフが発見できます!

来年の夏の暑い日にまた彼のことを思い出すでしょう。

 

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DVD・BD:ブラックパンサー

https://marvel.disney.co.jp/movie.html

(参照2020/08/27

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