映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』より
原題『Doctor Strange in the Multiverse of Madness』
この記事では、映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の予告の字幕と直訳の違いをまとめています。
予告の字幕はセリフ通りになっているのか?それともウソ字幕なのか?見ていきましょう。
今回の予告では英語を見ることで分かる、日本語字幕からは分からないことがいくつもありました!
ドラマ『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』予告 字幕と日本語訳の違い
1.
ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)
Every night… I dream the same dream.
字幕:毎晩… 同じ夢を見る
訳 :毎晩… 私は同じ夢を見る
And then… the nightmare begins.
字幕:そして 本当の悪夢が始まる
訳 :そして 悪夢が始まる
小ネタと英語の解説
the same ~
意味:同じ~
Every night… I dream the same dream.
訳 :毎晩… 私は同じ夢を見る
『same ~』『同じ~』は、話し手も聞き手も何を指しているのかが分かるので基本的に冠詞の『the』が付きます。
一番最初の画像をよく見ると…
この建物の一番上にサンクタムのマークがあります。
サンクタムは、ニューヨーク・香港・ロンドンの3か所にあって、それぞれマークが違います。過去作と照らし合わせたら、このマークはニューヨークのものでした。映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のニューヨーク・サンクタムを見直してみると、同じ建物なのが分かります。
2.
スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)
I did what I had to do… to protect our world.
字幕:やるべきことをした この世界を守るために
訳 :私はやるべきことをしたんだ 我々の世界を守るために
ウォン(ベネディクト・ウォン)
You cannot control everything, Strange.
字幕:全てを制御するのは無理だ
訳 :全てをコントロールすることはできないぞ ストレンジ
小ネタと英語の解説
不定詞の副詞的用法
訳:~するために
I did what I had to do… to protect our world.
訳 :私はやるべきことをしたんだ 我々の世界を守るために
今作はマルチバースを題材にしているので『our world』『我々の世界』が意味深に聞こえますね。
3.
ウォン
You opened a doorway between universes,
字幕:ユニバース間の扉が開いた
訳 :お前はユニバース間の入り口を開いたんだ
and we don’t know who or what will walk through it.
字幕:何がやってくるか分からない
訳 :そして何者が 何がそこを通ってやってくるのか分からない
小ネタと英語の解説
『doorway』と『door』の違い
doorway:玄関のドア、出入り口
door:扉、ドア
『door』は家の中にあるようなドアになりますが、『doorway』は玄関にあるドア、出入り口となるドアになります。なので、始まりの扉が開いてしまった感じがしますね。
間接疑問文
作り方:疑問詞+肯定文
間接疑問文は疑問詞の後に肯定文の文続けて、名詞節を作ります。(大きな名詞だと考えれば大丈夫です。)
主に動詞knowなどの目的語になり『~と知っている』という文を作ることが多いです。やはり、セリフでもknowの目的語になっていますね。
we don’t know who or what will walk through it.
訳 :そして何者が 何がそこを通ってやってくるのか分からない
疑問詞がwhoとwhatで『何者か 何が』となり、一層何がやってくるのか分からない感じが恐怖を掻き立てますね。
4.
スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ
Wanda. What do you know about the Multiverse?
字幕:ワンダ マルチバースに詳しいか?
訳 :ワンダ 君はマルチバースについて何か知ってることはあるか?
ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)
Vis had his theories. He believed it was dangerous.
字幕:私が聞いたのは… 危険すぎるということ
訳 :ヴィジョンには持論があったの 彼はマルチバースが危険だと思っていたわ
スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ
He was right.
字幕:たしかに…
訳 :彼は正しかった
時制の一致
He believed (that) it was dangerous.
訳 :彼はマルチバースは危険だと思っていたわ
従属節(that it was dangerous)の動詞の時制は、主節の動詞の時制によって決まります。
主節が過去の文(He believed)の目的語になった従属節(that it was dangerous)は過去形になります。
注意点は従属節の動詞が過去になっても日本語訳は変わらない点です。
He believed(彼は信じた)+ it is dangerous(それは危険だ)
=He believed (that) it was dangerous.(彼はそれが危険だと信じた)
個人的には文章での説明より、このように文を合わせたらどうなるかをイメージする方が覚えやすいです。
5.
モルド(キウェテル・イジョフォー)
I’m sorry, Stephen.
字幕:悪いな
訳 :すまない スティーヴン
Your desecration of reality… will not go unpunished.
字幕:“現実”を冒とくした者は… 報いが必要だ
訳 :お前のやった現実の冒とく 罰せられないで済むなんてことは決してない
MYSTERY VOICE 謎の声
We should tell him the truth.
字幕:真実を教えよう
訳 :我々は彼に真実を伝えるべきだ
小ネタと英語の解説
MYSTERY VOICE 謎の声
Mystery Voiceは英語字幕を再生させたときに書いてあった名前です。噂ではX-MENのプロフェッサーXでは?なんて言われていますね。
英語からわかること 主語のWe
We should tell him the truth.
字幕:真実を教えよう
訳 :我々は彼に真実を伝えるべきだ
英語を見ると、主語はWeとありますね。なので、この椅子に座っているであろう人物たちの中で、ストレンジに対して『真実を告げるか否か』の意見が割れていたのかもしれません。そして、このタイミングで、ある人物が今こそ伝えるべきタイミングだと意見を発したのかもしれませんね。
6.
SINISTER STRANGE シニスター・ストレンジ
Things just got out of hand.
字幕:手に負えないな
訳 :手に負えないな
小ネタと英語の解説
形容詞 sinister
意味:不吉な、不運な、邪悪な
海外のYouTubeの英語字幕を確認すると、あの不気味な『What if…?』に登場したストレンジに似ているドクター・ストレンジは『シニスター・ストレンジ』と称されています。
シニスターといえば、スパイダーマンの宿敵たちである犯罪集団の名前が『シニスター・シックス』ですね。
前回の予告と同じセリフ
SINISTER STRANGE シニスター・ストレンジ
Things just got out of hand.
字幕:手に負えないな
訳 :手に負えないな
こちらのセリフは前回の予告でも確認できます。前回は『まったく手に負えないな』と訳されていました。
前回の予告では、このセリフの前が意味深で『この宇宙への 最大の脅威は お前だ』『まったく手に負えないな』となっています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
7.
ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ
You break the rules…
字幕:ルールを破ることで
訳 :あなたはルールを破り
アメリカ・チャベス / ミズ・アメリカ
Look out!
字幕:危ない!
訳 :気を付けて!
ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ
…and become the hero.
字幕:あなたはヒーローに
訳 :そしてヒーローになったわ
I do it and I become the enemy.
字幕:だけど私は悪役に
訳 :私も同じことをしたの そして悪役になったわ
That doesn’t seem fair.
字幕:不公平よね?
訳 :それってフェアではないわ
『seem』と『look』の違い
seem:(自分の見て聞いて考えて)~のようだ
look:(相手の見た目で)~のようだ
seemは自分の経験などを踏まえての『~のようだ』なので、ワンダが『私はみんなから蔑まれたのに!』という経験があるからこそseemを使ったのが分かります。
最後に
予告の日本語字幕と英語の日本語訳の比較になりました。謎の声やもう1人のストレンジの名前がシニスター・ストレンジだったりと、面白い発見がありましたね。
個人的には『doorway』が『マルチバースの新しい扉』をこれから開くんだって感じがしてワクワクしました。監督がサム・ライミ監督なので、ホラーっぽい要素もたくさんあって楽しみです。サム・ライミは映画『スパイダーマン』で有名だと思いますが、ホラー映画も多く手掛けています。
以上で、予告の解説は終わりです。またMCUの予告が出たらドンドン日本語訳をしていきます。一緒に英語を楽しく勉強しましょう!
関連記事
Marvel Studios’ Doctor Strange in the Multiverse of Madness | Official Trailer
https://youtu.be/aWzlQ2N6qqg
「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」特別映像
https://youtu.be/G7kglI7eTm4
(参照2022/02/14)
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