映画『モービウス』(2022年)より
原題『Morbius』
映画『モービウス』の最後、モービウスの同僚の医師マルティーヌ・バンクロフトは、吸血鬼と化したマイロにひん死の状態にされてしまいます。そして、モービウスはバンクロフトの血を吸い、最後の戦いへと赴きます。その後、彼女は死んだかに見えましたが、最後に吸血鬼になって目覚めるシーンがありましたね。
死んだと思っていたバンクロフトが吸血鬼となり復活を遂げましたが、あるセリフに着目すると伏線が張られていたことが分かります。そのセリフがダブルミーニングになっていて面白いのです。そのシーンを紹介していきます。
英語は自分の耳で聞いたものなので、もしかすると間違っているかもしれません。その点はご了承ください。
映画『モービウス』
マルティーヌ・バンクロフト(アドリア・アルホナ)
Make me something.
字幕:無駄死にさせないで
シーン:死にゆくバンクロフトがモービウスに対して言ったセリフです。この後、モービウスは彼女から血を吸っているように見えました。しかし、この英文はとても面白く、訳し方がいくつもあります。
英語の解説
・make O C
意味:OをCの状態にする
第5文型(SVOC)の形になっています。主にOには名詞・代名詞が、Cには形容詞が入ります。
映画『ブラックウィドウ』の『痛みは人を強くする』も、この表現です。詳しくはこちら。
訳① 伏線となる訳
Make me something.
訳:私を何者かにして
⇒私を吸血鬼にして
『something』を『何者か』と訳し、その何者かを吸血鬼と捉えると『私を吸血鬼にして』と訳せます。なので、彼女は最期にモービウスに『自分も同族にしてほしい』と言ったのではないかと、捉えることができます。
訳② 字幕について解説
Make me something.
訳:私を価値あるものにして
⇒無駄死にさせないで
字幕の訳はどういった訳されたのかを解説します。
『something』は『価値あるもの・人』『重要なもの・人』とも訳せます。なので、こちらの意味で訳すと『私を価値あるものにして』となり、それが『無駄死にさせないで』という字幕になったと考えられます。
最後に
Make me something.
字幕:無駄死にさせないで
訳①:私を何者かにして
訳②:私を価値あるものにして
バンクロフトの遺言になったであろうこのセリフは、もし彼女が死んでいたら訳②の『私を価値あるものにして』となり、字幕通りでもよかったと思います。
しかし、映画の最後に彼女は吸血鬼として復活を遂げます。そうなると、訳①の『私を何者かにして』と、訳せなくもないのでしょうか。
なので、この『Make me something.』はダブルミーニングのセリフであったことが分かります。気付くとなるほど!と感じられ、面白いですよね。
余談ですが、バンクロフトをモービウスの助手って呼んだらいけないって流れが好きです。記事でも彼女を助手って紹介しそうになりました。
これまで多くの英語解説をする記事を書いてきましたが、ダブルミーニングのセリフは多くはありません。この記事を書くのは楽しかったです。同じようなセリフがないか、また探したいですね。
では、また英語解説の記事で会いましょう。
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おススメの記事
参照動画:MORBIUS – Teaser Trailer
https://www.youtube.com/watch?v=jLMBLuGJTsA&t=7s
(参照2022/04/08)
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