映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)より
原題『Avengers: Infinity War』
はじめに
映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のサウンドトラックに収録された曲のタイトルとその日本語訳をまとめていきます。また、映画の小ネタや簡単な英語の解説を交えて紹介していきます。
曲数が計30曲もあるので、Part.1~3の合計3つの記事に分けてまとめていきます。こちらの記事はPart.2になるので11~20曲目までを紹介していきます。
音楽:アラン・シルヴェストリ(Alan Silvestri)
アラン・シルヴェストリ氏はMCUの作品に多く携わっています。フェーズ1~3の間では以下の通りです。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』
『アベンジャーズ』
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
『アベンジャーズ/エンドゲーム』
また、MCUに限らず多くの映画に携わっています。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズなどの音楽も手掛けています。
タイトルと日本語訳
No. | タイトル | 日本語訳 |
11 | One Way Ticket | 片道切符 |
12 | Family Affairs (Extended) | 家庭の問題 |
13 | What More Could I Lose? (Extended) | 失うものはない |
14 | A Small Price | 小さな犠牲 |
15 | Even for You | たとえお前を失っても |
16 | Morning After | 後悔 |
17 | Is He Always Like This? | 彼はいつもこんな感じ? |
18 | More Power | もっと噴かせ! |
19 | Charge! | 突撃! |
20 | Forge | 鍛冶場 |
いくつかのタイトルに(Extended)と書いてありますね。『拡大、延長』という意味なので、ロング・バージョンだと考えてください。英語の解説を加えると、extend(拡大する)の過去分詞形になります。
小ネタ・解説
11. One Way Ticket 片道切符
このタイトル『One Way Ticket』はアイアンマンがスパイダーマンに言ったセリフです。
マウが操縦するQシップに乗ってしまったピーターに対し、トニーが𠮟るように『This is a one-way ticket.』『片道切符なんだぞ』と言いました。
こちらも劇中のセリフが、そのまま曲名になっています。
12. Family Affairs (Extended) 家庭の問題
こちらはセリフではなく、シーンを表すタイトルになっています。流れているのはサノスとガモーラ、ネビュラが話しているときでした。本物の家族ではない彼らですが、一応お互いに家族とは認識している仲のようですね。ネビュラが苦しむ姿を見せられて、ガモーラはソウル・ストーンのありかをサノスに伝えてしまいます。
13. What More Could I Lose? (Extended) 失うものはない
このタイトル『What More Could I Lose?』はソーがロケットに言ったセリフです。
ソー、ロケット、グルートの3人がストーム・ブレイカーを作るために、ニダベリアに向かう途中のやり取りです。ソーは弟のロキや親友のヘイムダルなど、多くの人を亡くしているので、こういった少し投げやりな言葉が口に出てしまったのでしょう。
14. A Small Price 小さな犠牲
このタイトル『A Small Price』はサノスがガモーラに言ったセリフです。
ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)
Because you murdered half of the planet.
字幕:(惑星の)半分を殺したからよ
サノス(ジョシュ・ブローリン)
A small price to pay for salvation.
字幕:小さな犠牲で大勢を救った
訳 :救済のための小さな代償だ
これまでのサントラの曲順は、全て映画の流れと同じでした。しかし、この14曲目のセリフは劇中において、13曲目の場面で流れています。曲順が前後するのは、今作のサントラの中では少し珍しいですね。
他の映画ではこういった、曲順が劇中の流れと一致しないことがよくあります。これまでいくつかサントラを訳してきましたが、今作のように曲順が劇中の流れと一致することの方が、かなり珍しいです。
15. Even for You たとえお前を失っても
このタイトル『Even for You』はサノスがガモーラに言ったセリフです。
ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)
This isn’t love.
字幕:愛してもないのに
サノス(ジョシュ・ブローリン)
I ignored my destiny once.
字幕:私は一度運命を無視した
I cannot do that again. Even for you.
字幕:二度としない たとえお前を失っても
訳 :二度とそんなことはしない たとえお前のためでも
惑星ヴォーミアで、ソウル・ストーンを手に入れるときの2人のやり取りです。
16. Morning After 後悔
この曲がかかっていたのは、サノスが愛するガモーラを犠牲にし、ソウル・ストーンを手に入れたときです。
『morning after』の意味は『後悔、痛みの伴う目覚め』です。愛するガモーラを失って目を覚ましたサノスを表すのに相応しい曲名ですね。
目覚めたとき、サノスは一言も喋っていませんでした。後悔や辛い思いをしているのであろうことが分かるシーンですが、曲名でもサノスの気持ちを代弁しているのが分かると面白いですね。『ああ、サノスはガモーラを失うことに対して後悔してるんだな…』と、為すべきことのためなら手段を選ばなそうなサノスでも、娘のこととなると後悔しているのが分かり、人間らしい一面を感じられますね。
17. Is He Always Like This? 彼はいつもこんな感じ?
こちらはセリフではないのですが、おそらくドクター・ストレンジが時を超えて未来を見ているときの姿を見たマンティスの気持ちを表しているのでしょう。
マンティス(ポム・クレメンティエフ)
But does your friend often do that?
字幕:あのお友達 よくあれをやるの?
訳 :あなたのお友達って あれをよくやるの?
曲名の『Is He Always Like This?』を訳すと『彼はいつもこんな感じ?』なので、セリフと似ていますよね。
18. More Power もっと噴かせ!
このタイトル『More Power』はソーがロケットに言ったセリフです。
ストーム・ブレイカーを作るため、ニダベリアの巨大リングを動かそうとしているシーンです。このシーンを見るとロケットのように『ロープ一本でやるのか…』と言いたくなりますね。ソーはパワータイプですね。
19. Charge! 突撃!
おそらくサノス軍がワカンダに攻め入るシーンを指しているのでしょう。
このシーンの台本を読んでみると、『Charge!』『突撃、突進する』という文字がト書き(心情描写や場面設定)として何度も書かれているのが分かります。
このシーンでウソ予告が!?
そういえば、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の予告の時点では、このワカンダ戦でバナー博士がハルクに変身して戦っている描写がありましたね。しかし、実際にはハルクにはなれず、ハルク・バスターを装着して戦っていました。
20. Forge 鍛冶場
この曲名『Forge』は、何度かセリフで出てきていますが、おそらくシーンを説明する単語の方でしょう。
『Forge』の意味は『鍛冶場、鍛冶場の炉』です。これはソーがニダベリアでストーム・ブレイカーを作った鍛冶場を指しているのでしょう。一応セリフでは『Forge』は『工房』とも訳されていました。
おわり
16曲目『Morning After』『後悔』はサノスがガモーラを差し出し、ソウル・ストーンを手に入れて目覚めたときにかかっていた曲です。この曲名がサノスの『後悔』の気持ちを代弁してくれているようですね。今回記事を作っていく過程で、これに気付けたのは新たな発見でした。
サントラのタイトルを1つ1つ訳していった甲斐がありました。こういう発見は本当に楽しいですね。
今回は30曲中の11~20曲目を解説しました。他の記事へのリンクはこちらです。
これまでに色んなMCUのサントラの記事を作っているので、サントラが好きな人はぜひ読んでみてください。MCUのサントラ事情は面白くて、フェーズによって特徴があるんです。下にリンクを張っておくのでぜひとも!
それではまた次の記事で会いましょう!
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DVD・BD:アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
https://marvel.disney.co.jp/movie.html
(参照2022/04/25)
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