映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)より
原題『Avengers: Infinity War』
はじめに
映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のサウンドトラックに収録された曲のタイトルとその日本語訳をまとめていきます。また、映画の小ネタや簡単な英語の解説を交えて紹介していきます。
曲数が計30曲もあるので、Part.1~3の合計3つの記事に分けてまとめていきます。こちらの記事はPart.3になるので21~30曲目までを紹介していきます。
音楽: アラン・シルヴェストリ (Alan Silvestri)
アラン・シルヴェストリ氏はMCUの作品に多く携わっています。フェーズ1~3の間では以下の通りです。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』
『アベンジャーズ』
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
『アベンジャーズ/エンドゲーム』
で音楽を担当しました。MCUに限らず多くの映画に携わっています。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズも手掛けています。
タイトルと日本語訳
No. | タイトル | 日本語訳 |
21 | Catch | キャッチ |
22 | Haircut and Beard (Extended) | ヘアカットとひげ |
23 | A Lot to Figure Out (Extended) | 反省会だ |
24 | The End Game (Extended) | エンドゲーム |
25 | Get That Arm/I Feel You (Extended) | くすねてやる/君を感じるだけだ |
26 | What Did It Cost? (Extended) | 何を犠牲にした? |
27 | Porch | ポーチ |
28 | Infinity War | インフィニティ・ウォー |
29 | Old Tech | オールドテック(旧テクノロジー) |
30 | End Credits | エンドクレジット |
いくつかのタイトルに(Extended)と書いてありますね。『拡大、延長』という意味なので、ロング・バージョンだと考えてください。英語の解説を加えると、extend(拡大する)の過去分詞形になります。
小ネタ・解説
21. Catch キャッチ
このタイトル『Catch』は誰かが言ったセリフではありません。この曲が流れているのはサノスがアイアンマンに月を投げつけたシーンでした。
『play catch』で『キャッチボールをする』という意味になるので、この『Catch』は『月を投げるという行為が、サノスにとってはキャッチボール感覚だ』という意味なのかもしれませんね。
22. Haircut and Beard (Extended) ヘアカットとひげ
こちらはキャップとソーのセリフが元になっていますね。2人が久しぶりに対面したときの会話です。
スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)
New haircut?
字幕:髪切った?
ソー(クリス・ヘムズワース)
Noticed you’ve copied my beard.
字幕:ヒゲ真似たろ?
ソーが髪が短くなったのは、映画『マイティ・ソー/バトルロイヤル』で、カメオ出演したスタン・リーに切られてしまったからですね。
23. A Lot to Figure Out (Extended) 反省会だ
このタイトル『A Lot to Figure Out』はバナー博士がハルクに言ったセリフです。
ブルース・バナー / ハルク(マーク・ラファロ)
Hulk, we got a lot to figure out, pal.
字幕:ハルク あとで反省会だぞ
訳 :ハルク 僕たちには解決しないといけないことがたくさんあるな
バナー博士が、ブラック・オーダーが1人カル・オブシティアンと戦っているときにハルクを呼ぶのですが、ハルクはサノスに負けたことがトラウマになっているのか変身を拒みます。
ハルク・バスターマークⅡカッコいい!ハルク・バスターにハルク本人が乗るとは、皮肉になっているのでしょうか?
24. The End Game (Extended) エンドゲーム
このタイトル『The End Game』はドクター・ストレンジがアイアンマンに言ったセリフです。タイム・ストーンをサノスに渡したシーンです。
トニー・スターク / アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)
Why would you do that?
字幕:なぜ渡した?
スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)
We’re in the endgame now.
字幕:あとがなくなったな
訳 :我々はもう正念場だな
この曲名『エンドゲーム』に関しては少し話したいことがあります。
お気づきだとは思いますがこの曲名は、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の続編にあたる映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のタイトルでもありますね。
そもそも映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』というタイトルが公開されるまでには紆余曲折がありました。2014年に発表されたタイトルは『Avengers: Infinity War – Part 2』でした。そして、2016年にはタイトルは無題という扱いになります。その後、別のタイトルが報道されたり、ファンから多くの考察や憶測がされたりした中、遂に2018年に正式なタイトルが発表されたのです。そのタイトルが発表されたときのファンたちの反応・熱量は本当にすさまじかったです。
関係者たちが『そのタイトルに該当する単語は、まだMCUに登場していない』と言っていたのも記憶にあります。なので、ファンたちが考察の過程で『End Game』はタイトルではないと、否定していたことも覚えています。
そんなこんなで、ようはタイトルが決まるまで一悶着というか、紆余曲折があったのです。なので、この曲名が次回作のタイトルでもあるということは、何だか考えさせられるところがあるものなんです。
25. Get That Arm/I Feel You (Extended) くすねてやる / 君を感じるだけだ ※前半部分
このタイトル『Get That Arm/I Feel You (Extended)』は2つのセリフからできています。
前半の『Get That Arm』はロケットがバッキーに言ったセリフです。
ロケット(ブラッドリー・クーパー)
How much for the gun?
字幕:その銃いくら?
バッキー・バーンズ / ウィンター・ソルジャー(セバスチャン・スタン)
Not for sale.
字幕:売らない
ロケット(ブラッドリー・クーパー)
Okay. How much for the arm?
字幕:じゃそのアームは?
Oh, I’ll get that arm.
字幕:くすねてやる
ロケットがいつかバッキーの腕を盗める日は来るのだろうか?これが後の伏線になっていることを期待したいです。
25. Get That Arm/I Feel You (Extended) くすねてやる / 君を感じるだけだ ※後半部分
『Get That Arm/I Feel You (Extended)』の後半部分になります。
後半の『I Feel You』はヴィジョンがワンダに言ったセリフです。
ヴィジョン(ポール・ベタニー)
It’s all right.
字幕:大丈夫
You could never hurt me.
字幕:私は傷つかない
訳 :君が僕を傷つけることはないだろう
I just feel you.
字幕:君を感じるだけだ
曲名では『I feel you.』でしたが、セリフではjustが加わり『I just feel you.』となって、意味合いが強調されていますね。
26. What Did It Cost? (Extended) 何を犠牲にした?
このタイトル『What Did It Cost?』はソウル・ストーンがの世界にいる幼少期のガモーラがサノスに言ったセリフになります。
ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)
What did it cost?
字幕:何を犠牲にした?
サノス(ジョシュ・ブローリン)
Everything.
字幕:全てだ
台本には、ここの世界は『the Soul World』と示されており、ソウル・ストーンが見せる世界のようですね。
27. Porch ポーチ
『Porch』の意味は『ポーチ、玄関口、縁側』です。日本にはあまりないモノです。Googleの画像検索で『porch』を調べると『ああ、これか!洋画で見るやつだ!』って思うでしょう。一応画像検索の結果はこちらになります。
この曲が流れるのは上の画像のシーンです。サノスがいるこの場所がポーチになります。まさしく家の玄関口にいますね。
28. Infinity War インフィニティ・ウォー
映画のタイトルがそのまま曲名になっています。
劇中ではこの『Infinity War』という言葉は口に出されていません。
29. Old Tech オールドテック(旧テクノロジー)
『Old Tech』は『Old Technology』のことです。これはすなわち、旧世代の技術を表していて、ニック・フューリーが持っていたポケベルを指しています。このポケベルは映画『キャプテン・マーベル』で受け取った物です。
余談ですが、このポケベルを取り出したシーンでニック・フューリーが言おうとしたセリフは『Mother Fucker.』です。
ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)
Mother Fu…
字幕:くそっ…
30. End Credits エンドクレジット
エンドクレジットとは、映画の最後に監督や関係者、俳優の名前が映るシーンのことです。
今作はエンドクレジットの後に、キャプテン・マーベルのポケベルが映り、最後に『Thanos will return』『サノスは帰ってくる』と映って終わりになります。
おわり
このサントラに収録された曲には、28曲目『Infinity War(インフィニティ・ウォー)』、24曲目『The End Game(エンドゲーム)』があります。なんと今作のタイトルと続編のタイトルの両方が曲名になっていたんですね。面白い発見です!
25曲目『I Feel You(君を感じるだけだ)』は、本編では『I just feel you.』になっていました。これは台本では『I feel you.』だったのですが、俳優さんのアドリブでjustが加わったのだろうか?ちょっと気になりますね。
以上で映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のサントラの解説は終わりです。30曲もあるので結構なボリュームでしたね。楽しく記事が書けました。まだサントラを解説していない映画もあるので、引き続き記事を作っていきたいですね。
今回は30曲中の21~30曲目を解説しました。他の記事へのリンクはこちらです。
これまでに色んなMCUのサントラの記事を作っているので、サントラが好きな人はぜひ読んでみてください。MCUのサントラ事情は面白くて、フェーズによって特徴があるんです。下にリンクを張っておくのでぜひとも!
それではまた次の記事で会いましょう!
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DVD・BD:アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
https://marvel.disney.co.jp/movie.html
(参照2022/04/27)
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