MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズの中でも、1,2位を争うナルシストのドクター・ストレンジ。
天才外科医のドクター・ストレンジが車で運転中に事故にあい、手を怪我してしまい医者としての道を閉ざされてしまう。そのストレンジが魔術師として生きていく過程を描いた映画『ドクター・ストレンジ』。
映画には、ストレンジが自暴自棄になったり、投げやりになったりするシーンもあり。そんな、人間味があるストレンジが好きな人が多いのではないでしょうか。
今回はそのドクター・ストレンジに焦点をあてて、彼の名言・名シーンを紹介していきつつ、英語の解説をしていきます。
映画『ドクター・ストレンジ』より
1.私の経歴に傷がつく 断る
看護師ビリーのセリフ
I have a 68-year-old female with an advanced brain stem glioma.
字幕:68歳 女性 脳幹グリオーマ
ドクター・ストレンジのセリフ
You want me to screw up my perfect record? Definitely not.
字幕:私の経歴に傷がつく 断る
訳:お前は私に完璧な経歴を台無しにして欲しいのか? 絶対に断る
シーン:ドクター・ストレンジが、愛車のランボルギーニに乗り運転しながら、手術をする患者を選んでいるシーンです。
このセリフを言われることによって、ストレンジが自分の経歴を大切にする人物である。と印象付けているのでしょうか。
ストレンジは人の命を救うために医者にはなったと言ってましたが、リスクを負わない賢い生き方を選択しているようですね。
字幕ではなく、英語を訳してみると、『お前は私に失敗して欲しいのか?』と嫌味っぽいのもまた良いですね。
英語の解説
・動詞 人 to 不定詞 (SVO to 不定詞)
意味:人に~するように~する
動詞には、want(~してほしい)、tell(~するように言う)、ask(~するように頼む)などがきます。
セリフはwantになっています。
意味:~してほしい
・スラング screw up
意味:失敗する・台無しにする
2.私ならもっとやれた
クリスティーン・パーマーのセリフ
No one could have done better.
字幕:最善を尽くしたわ
ドクター・ストレンジのセリフ
(If I had been there,) I could have done better.
字幕:私ならもっとやれた
訳:(もし私がそこにいたら)私は上手くできただろう
シーン:ドクター・ストレンジが手術を受けた後のシーンです。
痛々しいストレンジが、自分は天才外科医だと思っているからこそ、自分が受けた手術を見て、『私ならもっとやれた』と言う。
映画を見ていて、なんとももどかしい気持ちになりつつ、ストレンジの自信をも感じられる1言だと思います。
英語を見てみると、クリスティーンのセリフ(could have done better)を言い返しているのも良いですね。
映画を初めて見た時一番印象に残ったセリフはこれでした。
英語の解説
・仮定法過去完了
作り方:If S had 動詞の過去分詞 ~, S 助動詞の過去形 have 動詞の過去分詞 ~.
意味:もし~だったら、~だったろうに
セリフにはif節が省略されています。
S 助動詞の過去形 have 動詞の過去分詞 ~の部分:I could have done better.
助動詞の過去形がセリフではcouldになっています。
・if節の省略
セリフは、if節がそっくりそのまま無くなっていますね。おそらく省略されていたのは
If I had been there:私がそこにいたら
だと思います。会話の流れからわかる内容の場合は、if節が省略されることがあります。
3.マントラか? Wi-Fiのパスだ
ドクター・ストレンジのセリフ
What’s this? My mantra?
字幕:真言(マントラ)か?
訳:これは何だ?私のマントラか?
モルドのセリフ
The Wi-Fi password. We’re not savages.
字幕:Wi-Fiのパスだ 未開人じゃないぞ
シーン:ドクター・ストレンジがエンシェント・ワンがいるカマー・タージに行き、1度は修行を断られたが、その後修行を認められ部屋に案内されたシーン。その案内された際、モルドが紙切れを渡すのだが、魔法の世界に入ったと思うストレンジは、『マントラか?』と聞くのだが、なんと『Wi-Fi』のパスワード。普通に勘違いしますね。
こういったクスリと笑えるシーンを入れてくるのがまた面白いですね。MCUシリーズは時々こういった笑えるシーンが出てくるのも1つの楽しみですね。後はスタン・リーがいつ登場するのか?とかも映画を見ているときのお楽しみです。
英語の解説
・名詞 savage
意味:野蛮人
セリフでは、複数形になっています。
savageは形容詞でもあるのですが、セリフでは複数形になっていることから、形容詞ではないことが分かります。
4.(ドルマムゥや暗黒次元に)関わらないぞ 私は手を治しに来たんだ
ウォンのセリフ
The pages that Kaecilius stole.
字幕:盗まれたページは…
A ritual to contact Dormammu and draw power from the Dark Dimension.
字幕:ドルマムゥと繋がり 暗黒の力を得る儀式
ドクター・ストレンジのセリフ
Okay… I’m out. I came here to heal my hands. Not to fight in some mystical war.
字幕:そういうことなら…関わらないぞ 私は手を治しに来たんだ 魔術大戦で戦うためじゃない
シーン:ウォンがドクター・ストレンジにドルマムゥと暗黒次元について話したシーン。
ちょうどこのシーンは、ストレンジが徐々に魔術師として成長し、スーパー・ヒーローに見えてきた頃ですね。さらにタイムストーンも使用した後です。
ストレンジが世界のためにドルマムゥや暗黒次元と戦う。と思いそうですが。ストレンジの目的は手を治すことで、そういった者たちと戦うことではない。
しっかりとストレンジの心情が伝わるシーンですね。
英語の解説
・関係代名詞の目的格
The pages that Kaecilius stole.
先行詞:The pages
関係代名詞:that Kaecilius stole
The pages that Kaecilius stole.
カエシリウスが盗んだページ
・不定詞の形容詞的用法
意味:~するための・~する
A ritual to contact Dormammu and (to) draw power from the Dark Dimension.
訳:ドルマムゥとコンタクトを取り、暗黒次元から力を引き出す儀式
不定詞が『A ritual』を修飾しています。
to contact Dormammu:ドルマムゥとコンタクトを取る
(to) draw power from the Dark Dimension:暗黒次元から力を引き出す
ritual(儀式)
・不定詞の副詞的用法
意味:~するために
I came here to heal my hands. Not to fight in some mystical war.
訳:私はココに手を治すために来たんだ。魔術大戦で戦うためじゃない。
2つの不定詞があり、2つ目は『Not to fight in some mystical war.』とNotが付いていますね。
5.医者になった時、命を救うと誓ったのに、人を殺した 二度とごめんだ
字幕は以下のセリフを1つの様に扱ってます
ドクター・ストレンジのセリフ
When I became a doctor, I swore an oath to do no harm.
訳:医者になった時、誰も傷つけないと誓った。
And I have just killed a man! I’m not doing that again.
訳:そして、私は人を殺してしまった。あんなことは二度としない。
I became a doctor to save lives, not take them.
訳:私は命を救うために医者になったんだ、命を奪うためじゃない。
字幕:医者になった時、命を救うと誓ったのに 人を殺した 二度とごめんだ 命を救うために医者に
シーン:ストレンジが医者になった目的は『人を救うため、人の命を守るため』と言うことが良く伝わってきます。ココのシーンだけで、『私は医者になった』と言うセリフを2度言っていますね。
ストレンジの本質が垣間見れるシーンです。ストレンジがスーパーヒーローの道ではなく、医者の道を選択して生きてきたことが分かります。
英語の解説
・接続詞 when
使い方:When A, B.
意味:Aなとき、Bだ
When I became a doctor, I swore an oath to do no harm.
訳:医者になった時、誰も傷つけないと誓った。
・熟語 swear an oath
意味:誓う
・一般動詞 swear
意味:誓う
不規則動詞は変化の仕方が同じもので覚えるのがおススメ
一般動詞swearの”ear“部分に注目しましょう
原形:ear
過去形:ore
過去分詞:orn
に変化します。
誓う:swear-swore-sworn
着る:wear-wore-worn
産む:bear-bore-born
6.ドルマムゥ 取引に来た
ドクター・ストレンジのセリフ
Dormammu. I’ve come to bargain.
字幕:ドルマムゥ 取引に来た
訳:ドルマムゥ 私は取引しに来たところだ
シーン:最後の香港決戦の場所から、ドクター・ストレンジがダーク・ディメンション(暗黒次元)に向かい、ダーク・ディメンションの主であるドルマムゥと戦うときに言ったセリフです。
ストレンジはタイムストーンを使い、無限のタイムループを作り何度も何度も取引をしに来ましたね。このセリフを言っては、ドルマムゥに殺され、またこのセリフを言っては、ドルマムゥに殺され…と何度ストレンジは殺されたのだろうか…
『勝つことはできないが、負けることはない』そう言い続けたストレンジに、ドルマムゥが根負け。今まで見たことが無い勝利の仕方でした。
この何度も言われたセリフ『I’ve come to bargain.』は日本語字幕だと、『私は取引しに来た』と出ていましたが。何度も言っているうちに、意味が変わっていった。と考察できます。詳しくは英語の解説で説明します。
このセリフは英語を勉強していてよかった!と感じさせてくれるセリフの1つですね。
英語の解説
・現在完了 have 動詞の過去分詞
現在完了の意味は3つ
完了:~したところだ
経験:~したことがある
継続:ずっと~している
映画のセリフ『I’ve come to bargain.』は言う度に、意味が変わっていったと思います。
・1回目:完了
私は取引しに来たところだ。
・2回目:経験
私は取引しに来たことがある
・3回目以降:継続
私はずっと取引しに来ている
この様にストレンジは言う度にセリフの意味が変わっていった考えられます。変わっていってもセリフとして成り立っていますね。
最後に
ドクター・ストレンジの名言・名シーンをまとめました。
見た人によって好きな名言・シーンは違うと思います。個人的に今回紹介したものはドクター・ストレンジのヒーローとしての側面より、医者である彼の1面が垣間見れるシーンを多く取り上げました。
ドクター・ストレンジは、医者であり、医者として人の命を救いたかった。そして、手を失った今、魔術師として人の命を救っていく道を見つけた。
彼の本質は人の命を救うことにある。その手段が、医療から魔術になった。そんなヒーローだと思います。
そしてこの記事は7月19日に公開しました、今日はドクター・ストレンジを演じる、ベネディクト・カンパーパッチの誕生日です!
誕生日おめでとうございます!誕生日のお祝いとして記事を作りました。お祝いがてらぜひ、映画『ドクター・ストレンジ』を見よう!
魔法が使えて本当に強い!そんなストレンジが大苦戦してしまうシーンが見たいなら映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を!
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DVD・BD:ドクター・ストレンジ
https://marvel.disney.co.jp/movie.html
(参照2020/07/19)
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