映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017年)より
原題『Guardians of the Galaxy Vol. 2』
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は、ヨンドゥとピーター(スター・ロード)、父と子に焦点を当てた映画でしたね。ヨンドゥはピーターを『my boy』『俺の息子』だと言っていました。
そして、アニメ『ホワット・イフ…?』では、本編ではブラックパンサーであるティ・チャラがスター・ロードになっていましたね。そちらでもヨンドゥはティ・チャラを『my boy』『俺の息子』だと言っていました。
どちらの作品でも、ヨンドゥがスター・ロードを自分の息子だと感じていることが分かりますが、ピーターとティ・チャラはキャラクター・性格が大きく違うので、ヨンドゥと彼らの関係性も異なります。それをふまえて、どんな場面でヨンドゥが彼らを自分の息子だと言っているのかを見ていきましょう。
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
『いい息子を持てたぜ』
ヨンドゥ・ウドンタ(マイケル・ルーカー)
He may have been your father, boy, but he wasn’t your daddy.
字幕:お前の親父(おやじ)は奴じゃない
訳 :奴(エゴ)は父親だったかもしれないが オヤジじゃなかった
I’m sorry I didn’t do none of it right.
字幕:俺みたいな ろくでなしが
訳 :(父親らしいことを)何も正しくしてやれなくて すまないな
I’m damn lucky you’re my boy.
字幕:いい息子を持てたぜ
訳 :俺は お前が息子で すごく幸運だぜ
シーン:ガーディアンズたちが惑星エゴを爆破し、そこから脱出する場面です。ヨンドゥがピーターを連れて脱出する際に、この言葉をかけました。この後、1つしかない宇宙服をピーターに付け、ヨンドゥは宇宙空間で死を迎えることになります。
死を覚悟して、最期の言葉としてピーターに自分の思いを伝えたのでしょう。普段は反発しあっている2人ですが、最期だからこそ素直な気持ちを言えたのでしょうね。
英語の解説
名詞:father
意味:父親、お父さん
一般的な父親という意味で、少し堅いフォーマルな言い方です。かしこまった場面や文書ではfatherを使うといいでしょう。
名詞:daddy
意味:お父さん、パパ、オヤジ
子供が自分の父親を呼ぶときの愛称で、親しみのある言い方です。口語でよく使われ、短縮してdadとも言います。
日本語字幕の『親父(おやじ)』という訳し方が、ヨンドゥやピーターの性格を表していていいですよね。彼らだったら『お父さん』とは言わずに『おやじ』と言うでしょうからね。
be 形容詞+that節
be動詞+形容詞(主に感情を表す形容詞)の後にthat節(that+1文)を置くことで作ります。接続詞thatは省略することができ、口語ではほとんど省略されます。
セリフでは以下の2つが使われており、どちらもthatが省略されています。
be sorry (that) ~
意味:~で申し訳なく思う
I’m sorry (that) I didn’t do none of it right.
訳:何も正しくしてやれなくて すまないな
be lucky (that) ~
意味:~で幸運だ、~でよかった
I’m damn lucky (that) you’re my boy.
訳:俺は お前が息子で すごく幸運だぜ
none of A
意味:Aのどれも~ない
Aには名詞・代名詞を置きます。セリフでは代名詞itが置かれています。
スラング:damn
意味:すごく、とても、ひどく(強調)
今回は副詞的な意味で用いられています。間投詞的に用いると『クソッ!』『ちくしょう!』などという意味にもなります。
同じように強調する意味を表すならveryなどでもいい気がしますが、スラング的なdamnを使った方が、ヨンドゥのアウトロー感やぶっきらぼう感が出ていていいですよね。
my boy
意味:私の息子
親が自分の息子に呼びかけるときに使います。普通に『my son』と言うよりも親しみを感じる言い方になります。
また、自分の娘に呼びかける場合も同様に『my daughter』ではなく『my girl』の方がより親しみ深くなります。
アニメ『ホワット・イフ…?』
『さすが俺の息子』
ティ・チャラ / スター・ロード(チャドウィック・ボーズマン)
You know as well as I, no treasure is worth as much as the good that can be done with it.
字幕:どんな宝の価値も それがもたらす善行には劣る
訳 :分かってるだろ それでできる良いことほど価値のある宝物はない
ヨンドゥ・ウドンタ(マイケル・ルーカー)
Ah. That’s my boy.
字幕:さすが俺の息子
訳 :ああ それでこそ俺の息子だ
シーン:2話のティ・チャラがスター・ロードになった世界線の話です。ガーディアンズ本編と同じようにオーブを回収しますが、ティ・チャラはそれを金もうけのためではなく、他の星を救うために役立てようと言います。そして、それを聞いたヨンドゥは『さすが俺の息子』と、素直に褒めます。
ティ・チャラが誠実で素直な性格だからか、ヨンドゥもどことなく物腰が柔らかくなっており、2人の関係も良好なようですね。
英語の解説
the+形容詞
意味:~な人、~なこと
形容詞に冠詞theを付けることで『~な人、~なこと』という意味になり、名詞として扱います。
セリフでは形容詞good(良い)が『良いこと(善行)』という意味の名詞になっています。
関係代名詞(主格)
関係詞節『that can be done with it』が先行詞『the good』を修飾しています。
the good that can be done with it
それでされることができる良いこと
主格なので先行詞the good=関係代名詞thatの関係になっています。
that’s(that is)
意味:強調
日本語訳:それ(あれ)こそまさに~
ヨンドゥのセリフでは『それは~』という意味ではなく、強調の意味合いで使っています。
最後に
いかがでしたでしょうか。同じスター・ロードでも、ピーター・クイルの場合とティ・チャラの場合ではヨンドゥとの関係性が大きく違う点が面白いですよね。しかし、どちらの場合でもヨンドゥがスター・ロードを自分の大切な息子だと思っている点は同じですね。
MCUにはヨンドゥのようないい父親・オヤジが多いですよね。トニーの父であるハワードも好きです。彼らが本編で再登場するのは難しいかもしれませんが、またアニメ『ホワット・イフ…?』のシーズン2などで登場してほしいですね。
この記事を読んで、英語って楽しい!英語の勉強をしたくなった!って感じてもらえたら嬉しいです。
では、また英語解説の記事で会いましょう。
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ヨンドゥ(MCU)
I'm damn lucky you're my boy.
いい息子を持てたぜヨンドゥ(ホワット・イフ…?)
That's my boy.
さすが俺の息子ヨンドゥ(IF)がこういう親密度が高いセリフを言えるのは、ブラック・パンサーの方がスター・ロードより素直だったから…?☺️ pic.twitter.com/RHD2Z9PwnG
— マーベル映画×英語塾 (@Ironman_English) May 17, 2022
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DVD・BD:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
https://marvel.disney.co.jp/movie.html
参照:ホワット・イフ…?
https://disneyplus.disney.co.jp/
(参照2022/05/28)
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