【アベンジャーズ/エンドゲームの誤訳!?】原因は『エイジ・オブ・ウルトロン』に伏線があったから!?

【アベンジャーズ/エンドゲームの誤訳!?】原因は『エイジ・オブ・ウルトロン』に伏線があったから!?

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の序盤、アイアンマン/トニー・スタークキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースの会話で字幕に誤訳があります。今回はそちらを紹介します。

 

この訳は、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の会話の中でだけ訳してみると誤訳にはなっていません。

しかし、映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のトニーとキャップの会話のやり取りを考えると、エンドゲームの字幕が誤訳だと気づきます。

 

 

誤訳のシーン

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』より

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アイアンマン/トニー・スタークのセリフ

And I believe I remember telling all youse… alive and otherwise, what we needed was a suit of armor around the world.

字幕:君たちに話したよな アーマー・スーツを世界中に配備すべきだと

訳:皆 生きてる奴 もうそうじゃない奴らに言ったよな アーマー・スーツを世界中に配備することが我々に必要なことだったんだ。

 

Remember that? Whether it impacted our precious freedoms or not. That’s what we needed.

字幕:貴重な自由が脅かされてもやるべきだった

訳:覚えてるか? 我々の貴重な自由が脅かされようが脅かされなかろうが それが我々に必要だったんだ。

 

Well, that didn’t work out, did it?

字幕:計画は消えた

訳:上手くいかなかったよな?

 

I said we’d lose. You said “We’ll do that together, too.

字幕: “負けるときも一緒” と君は言った

訳:私は我々は負けると言ったな しかし君は “一緒に戦う” と言ったんだ。

シーン:映画の序盤、アイアンマン/トニー・スタークが地球に戻ってきたときのシーンです。

赤線で比較したセリフの字幕が誤訳になっています。

キャップが『負けるときも一緒』と言ったというのは変ですよね。なんでそんなマイナスなことを言ってるんだ?という印象を受けます。

 

字幕の『負けるときも一緒』は間違いで、正しくは『一緒に戦う』です!

 

映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』より

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アイアンマン/トニー・スタークのセリフ

We’re the Avengers. We can bust arms dealers all the livelong day, but that up there, that’s…

字幕:アベンジャーズの敵は武器商人じゃない

訳:我々はアベンジャーズだ ずっと武器商人と戦うことはできる しかし…宇宙からの…

 

That’s the end game.

字幕:宇宙からの侵略者が我々の敵だ

訳:宇宙からの侵略者が最終目標(ラスボス)だ

 

How were you guys planning on beating that?

字幕:どうやって倒す?

訳:どうやってそいつらを倒そうと計画している?

 

キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースのセリフ

Together.

字幕:団結して

訳:一緒にだ

 

アイアンマン/トニー・スタークのセリフ

We’ll lose.

字幕:負ける

訳:我々は負けるぞ

 

キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースのセリフ

Then we’ll do that together, too.

字幕:また団結して戦う

訳:そしたら また一緒に戦うまでだ

シーン:映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で、ウルトロンを生み出してしまったトニーがアベンジャーズに弁解をしているシーンです。

トニーはロキの襲撃から、彼の率いたチタウリ達のような来るべき宇宙の侵略者たちを危惧して、アベンジャーズの仲間に相談せずウルトロン計画を進めてしまいました。

 

日本語だけで見てみます。

トニー『宇宙からの侵略者に対してどう戦う?』

キャップ『団結して』

トニー『負けるぞ』

キャップ『また団結して戦う』

この『また団結して戦う』のセリフ『Then we’ll do that together, too.』こそが、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』にもあるセリフです。

エイジ・オブ・ウルトロンでは『団結して戦う』と言っていたのですが、エンドゲームでは『負けるときも一緒』と訳されてしまいました。

 

誤訳の原因

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』より

アベンジャーズ エンドゲーム アイアンマン 誤訳

なぜ誤訳になってしまったのか?その理由は、今回トニーが引用したセリフがエイジ・オブ・ウルトロンの時のセリフの1部だけだったからです。

エンドゲームでは “We’ll do that together, too.” の “do that” の意味が、その前のセリフ “we’d lose” からきていると考えられて、訳されているのです。

 

間違えてしまった理由

・do that = lose を指している

『アベンジャーズ/エンドゲーム』より

アイアンマン/トニー・スタークのセリフ

I said we’d lose. You said “We’ll do that (lose) together, too.”

字幕: “負けるときも一緒” と君は言った

訳:私は我々は負けると言ったな しかし君は “一緒に戦う” と言ったんだ。

エンドゲームの時の『do that = lose』なので『一緒に負ける』という字幕になっています。

エンドゲーム内だけで見ると直前にあるloseを指しているので間違っていませんが、エイジ・オブ・ウルトロンを加味すると意味合いが変わってきます。

 

映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』より

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン アイアンマン 誤訳 アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン アイアンマン 誤訳

正しい訳にするためには、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』で引用されなかったセリフを読む必要があります。

映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のセリフを見ていきましょう。

こちらのセリフ “We’ll do that together, too.” の “do that” の意味は、その前のセリフ “we’d lose” を指してはいません。

正しくは、そのセリフのさらに前の “How were you guys planning on beating that?” を指しています。

 

正しいと考える理由

・do that = beating that を指している

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』より(一部抜粋)

アイアンマン/トニー・スタークのセリフ

How were you guys planning on beating that?

字幕:どうやって倒す?

 

キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースのセリフ

Then we’ll do that (beat that) together, too.

字幕:また団結して戦う

エンドゲームでは『do that = lose』『一緒に負ける』でしたが、エイジ・オブ・ウルトロンでは『do that = beat that』『一緒に戦う』なので『また団結して戦う』というセリフができています。

 

最後に

アベンジャーズ エンドゲーム アイアンマン 誤訳

英語だけの流れだとエンドゲームの字幕は間違っていないのですが、エイジ・オブ・ウルトロンのセリフを加味すると字幕が正しくないことに気付きます。

エンドゲームはマーベル・シネマティック・ユニバースの集大成でもあるので、熱心なファンには分かるような小ネタ・イースターエッグがたくさん仕掛けられています。

このセリフがエイジ・オブ・ウルトロンから引用されたと気づくと『一緒に負ける』ではなく『一緒に戦う』だと分かりますね。おそらく、英語圏の人でも『一緒に負ける』『We will lose together.』だと勘違いしている人はいると思います。英語の流れ的には間違っていませんからね。

このセリフは、ファンならわかるセリフだったのかもしれないですね。

 

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン アイアンマン 誤訳

そして、先ほど紹介した映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のシーンで面白いのは、トニーの発言の中に『End Game』があることです。

今となっては映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は周知のタイトルですが、マーベルはこのアベンジャーズシリーズの4作品目のタイトルを公表をずっとしていなかったため、ファンの間では「どんなタイトルになるんだ?」と物議をかもしていましたね。

なので、4作品目のタイトルにもなった『エンドゲーム』という単語をトニーが言っているこのシーンは、多くのファンに考察されていましたね。

 

アベンジャーズ エンドゲーム アイアンマン 誤訳

おまけ:トニーが言及している『アーマー・スーツを世界に配備する』とは、映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の時の話であり、トニーがロキのセプターを利用してウルトロン計画を実行し、世界中にアイアンマン・スーツを配備しようとしたことを指しています。

 

このように映画では時々、日本語字幕と英語の訳に違いがあることがあります。

今後も日本語字幕と英語の訳を比較して、英語の訳が面白かったり、意外な発見があったりする例を紹介していきたいと思います。

 

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DVD・BD:アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン

DVD・BD:アベンジャーズ/エンドゲーム

https://marvel.disney.co.jp/movie.html

(参照2020/09/07)

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