映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021年)より
原題『Venom: Let There Be Carnage』
はじめに
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のサウンドトラックに収録された曲のタイトルとその日本語訳をまとめていきます。
映画の小ネタや簡単な英語の解説を交えて紹介します。日本語訳には間違いがあるかもしれませんが大目に見てください。
音楽:マルコ・ベルトラミ(Marco Beltrami)
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のサントラを担当するのはマルコ・ベルトラミ氏です。
過去にマーベル映画に携わっており、
・ブレイド2
・ウルヴァリン:SAMURAI
・LOGAN/ローガン
で音楽を担当しました。
さらに、彼はギレルモ・デル・トロ監督の映画に何度か携わってる方です。そのギレルモ・デル・トロ監督といえば、パシフィック・リムが有名だと思います。彼の映画には怪獣など、独特なクリーチャーが登場します。そういったクリーチャー的な要素と、カーネイジは近いものを感じますね。
ちなみに前作に当たる映画『ヴェノム』の音楽を担当したのは、ルドウィグ・ゴランソン氏です。ルドウィグ・ゴランソン氏はMCU映画に携わっており、映画『ブラックパンサー』の音楽を担当していました。詳しくはこちらの記事で紹介しています。
タイトルと日本語訳
1 | St. Estes Reform School (Extended) | 聖エステス学校 |
2 | Cletus’ Cell | クレタスの細胞 |
3 | Eddie Draws | エディは描く |
4 | Brock’s Revival | ブロックの再起 |
5 | Lucky Slaughterhouse | ラッキーな虐殺場 |
6 | Ann’s News | アンのニュース |
7 | Take the Hit | 非難を受ける(犯罪の罰) |
8 | Postcard From the Edge | 独房からの手紙 |
9 | No Touching! | 触るな! |
10 | Eddie Hangs on the Line | 縁にぶら下がるエディ |
11 | Lethal Rejection | 決別 |
12 | Carnage Unleashed | 解き放たれたカーネイジ |
13 | Mulligan Visits Eddie | エディの元を訪れるマリガン刑事 |
14 | There is Only Carnage | あるのは大虐殺だけ |
15 | Get Shriek | シュリークを手にする |
16 | The Great Escape | 大脱走 |
17 | Venom Needs Food | ヴェノムは食べ物が必要 |
18 | People Seeing Monsters | 人々はモンスターたちを目にする |
19 | Find Venom | ヴェノムを探して! |
20 | Turn on the Charm | 誘惑する、愛想を良くする |
21 | Eddie Escapes | 脱出するエディ |
22 | Shriek Comes Home | シュリークの帰宅 |
23 | You Can Eat Them All | 全部食べて良いぞ |
24 | Unholy Matrimony Pt. 1 | 邪悪な結婚生活パート1 |
25 | Unholy Matrimony Pt. 2 | 邪悪な結婚生活パート2 |
26 | He Did Not Taste Good | ヤツは不味かった |
27 | Panza and Quixote | パンサとキホーテ |
28 | Venom and Blues | ヴェノムとブルース(憂鬱) |
29 | Venom’s Suite Tooth | ヴェノムの揃った歯 |
30 | Brock and Roll | ブロックとロール |
小ネタ・解説
1. St. Estes Reform School 聖エステス学校
クレタス・キャサデイ/カーネイジと音波を操るフランシス・バリソン/シュリークの2人が収容されていた施設です。クレタスは彼女に婚約指輪を渡しますが、2人は離ればなれになってしまいます。
また映画の中盤で、フランシスがエディの指輪を盗むシーンもあります。
2. Cletus’ Cell クレタスの細胞
エディの腕に噛みつくことで、ヴェノムの細胞を得たクレタスはカーネイジを生み出します。
カーネイジはヴェノムのことをFather(お父さん)と呼んでいましたね。神父さんもFatherと呼ぶので、神父さんとヴェノムが一緒にいるときに、クレタスがFahterと口にして、どっちを指しているのか分からなくなっていましたね。
3. Eddie Draws エディは描く
エディはクレタスの取材をし、彼の独房にある壁に描かれた絵をヒントに死体が遺棄された場所を見つけ出します。その壁の絵はヴェノムが記憶していたので、それをエディが書き出しましたね。ヴェノムの記憶力がすごいなんて知りませんでした。
最後のポストクレジットでは、ヴェノムはシンビオートの記憶が膨大にあるって話をしていましたね。
4. Brock’s Revival ブロックの再起
ブロックはエディ・ブロックのブロックですね。
1作目であり前作の映画『ヴェノム』で、エディはライフ財団に要らぬ質問をして会社をクビになりました。いわゆる人生のどん底に堕ちます。仕事はなくなるし恋人もなくすと散々な目にあいますが、クレタスの遺棄していた死体を見つけ出すことで、トップジャーナリストとして再起、返り咲きますね。
5. Lucky Slaughterhouse ラッキーな虐殺場
虐殺場(Slaughterhouse)はどこを指しているのか?サントラを聞くと鬼気迫る音楽なので、カーネイジが目覚めて警備員を虐殺した刑務所を指しているのかもしれません。
6. Ann’s News アンのニュース
元恋人のアンが会って直接話したいとエディに電話をします。その話の内容は医師のダンとの婚約のニュースでした。
ちなみに英語のNewsの発音は、ニュースではなく、ニューズです。
7. Take the Hit 非難を受ける(犯罪の罰)
『take a hit』には『当たる』といった意味もありますが、『犯罪の非難を受ける』という意味もあります。
これは虐殺を行ったクレタスに対する遺族たちや市民たちからの非難を意味しているのでしょう。
8. Postcard From the Edge 独房からの手紙
『from the edge』は直訳すると、『端からのポストカード』となります。端をどう訳したものか…と考えたのですが、人生の崖っぷち、独房がいいなと思いました。
エディの元に届いた手紙には、蜘蛛の死体もくっ付いていましたね。スパイダーマンを意識しているのでしょうか。
9. No Touching! 触るな!
おそらく誰かが言ったセリフなのでしょうが、確証がないので分かり次第追記したいです。
10. Eddie Hangs on the Line 縁にぶら下がるエディ
屋根に縁にぶら下がりながら、アンからの電話を受け取ったエディのことを指しているのでしょう。
ヴェノムが屋根やらビルの壁面やらを破壊しながら移動しますが、アレは誰が直したりお金払ったりするんだろう…?って変な心配しながら見てました。
11. Lethal Rejection 決別
lethal:致死、致命的な
rejection:拒絶
途中、エディとヴェノムは分かれて生活するようになりますね。その2人の別れを指しているのでしょう。
12. Carnage Unleashed 解き放たれたカーネイジ
死刑台にあげられたクレタスはカーネイジが目覚めることで死を免れ、さらにカーネイジは刑務所にいる警備員や所長を虐殺、そして世に解き放たれました。
目覚めたときに他の囚人には手を出さずに警備員だけを狙うのには少し驚きました。
13. Mulligan Visits Eddie エディの元を訪れるマリガン刑事
マリガンとは刑事の名前です。予告でも何度か出てきましたね。過去にフランシスの眼を撃っており、それでフランシスから恨みを買っています。
14. There is Only Carnage あるのは大虐殺だけ
このCarnageは大虐殺なのか、カーネイジなのか。
クレタスの行った大虐殺はどういったモノなのか、あまり語られませんでしたね。どういった人物なのか、もっと描いてほしかったです。
15. Get Shriek シュリークを手にする
シュリークとはクレタスの恋人であるフランシス・バリソンのヴィランとしての名前ですね。
レイヴンクロフトに収監されていた彼女を、クレタスはカーネイジの能力を使い救い出します。このレイヴンクロフトは原作において多くのスーパーヴィランを収監している場所の1つです。今後また登場するのか、はたまたそこにいたヴィランたちがこの事件をキッカケに野に放たれたのでしょうか?
16. The Great Escape 大脱走
クレタスは愛するフランシスと共に、レイヴンクロフトから大脱走を図りました。カーネイジの弱点は音、そしてフランシスの能力が音波を操ることなので、カーネイジは彼女のことを快く思っていませんでしたね。
17. Venom Needs Food ヴェノムは食べ物が必要
ヴェノムの好物はチョコレートと脳みそです。ヴェノムはエディと別れた後食糧難に陥っていましたね。
へろへろのヴェノムはなんだか可愛かったです。最終的には中国雑貨屋のおばさんに寄生していましたね。
18. People Seeing Monsters 人々はモンスターたちを目にする
タイトルがMonstersと複数形になっていますね。市民がヴェノムとカーネイジの2人(複数)のモンスターを目にするシーンはあっただろうか…?と悩んだのですが思いつきませんでした。
もしかするとモンスターとは、クレタスで1人、カーネイジでもう1人、この2人で複数形のMonstersなのかもしれませんね。
19. Find Venom ヴェノムを探して!
警察に身柄を拘束されたエディは元恋人のアンにヴェノムを探すように呼びかけます。
アンが中国雑貨屋さんのおばさんに寄生しているヴェノムを説得するシーンはお気に入りです。ヴェノムがアンに対してまるで異性に対する感情を持っているのが可愛いですね。ヴェノムはエディ同様にアンに惚れてそうですね。
20. Turn on the Charm 誘惑する、愛想を良くする
タイトルからして、これはアンがヴェノムを誘惑していたときのことを指してそうです。
でも、曲を聴くと、そんなに可愛い感じの曲ではないので、違うものを指しているのかもしれません。
21. Eddie Escapes 脱出するエディ
警察に拘束されていたエディは、アンに寄生したヴェノムの力のおかげで警察から脱出できました。
映画だからと言ったらなんですが、警察署から普通に逃げて後々大丈夫なのだろうか…?なんて考えちゃいますね。ポストクレジットの内容を見たらわかりますが、エディは元の世界ではない、マルチバースに行ったようなので、そういった心配いらなそうですね。
22. Shriek Comes Home シュリークの帰宅
シュリークのhomeとは、St. Estes Reform School(聖エステス学校)のことを指すのでしょう。
彼女はレイヴンクロフトから脱出した後、クレタスと共に2人の思い出の場所でもあるこの聖エステス学校を火の海にしていましたね。
23. You Can Eat Them All 全部食べて良いぞ
ついにヴェノムとカーネイジが対面します。しかし、ヴェノムは『赤はマズい』とカーネイジを目の前にして尻ごみをしています。そこでエディはヴェノムに『You can eat them all.』『全部食べて良いぞ』と伝え、ヴェノムをその気にさせます。
セリフがそのままタイトルになっているのがいいですね。
24. Unholy Matrimony Pt. 1 邪悪な結婚生活パート1
25. Unholy Matrimony Pt. 2 邪悪な結婚生活パート2
クレタスとフランシスは神父を呼び結婚式をします。そして、そこでヴェノムとカーネイジの戦いが始まりました。
神父のことを殺さないってやり取りをしておきながら、最後には神父を食べるカーネイジ。『パワーアップだ!』なんて言ってましたが酷い…
また、長い戦闘シーンなので、2曲に分かれているのでしょう。
26. He Did Not Taste Good ヤツは不味かった
He(彼)とはクレタスのことでしょう。最後にヴェノムはクレタスの脳みそを食らいましたね。
もしくは、カーネイジも食べていたので、そっちを指しているのかもしれませんね。
27. Panza and Quixote パンサとキホーテ
パンサとキホーテは、サンチョ・パンサとドン・キホーテを指しているのでしょう。
パンサとは、ドン・キホーテに仕える従士です。映画の最後の最後、カーネイジとの戦いを終えたエディとヴェノムは公園のベンチで『パンサとキホーテみたいに仲良くなっていけるよな』なんて言ってましたね。
映画を見ているときはサンチョ・パンサとドン・キホーテのことはよく分かりませんでしたが、調べてみるとの関係が分かって納得がいきました。記事を書く過程で気付けたのは、1つの収穫ですね。
28. Venom and Blues ヴェノムとブルース(憂鬱)
このブルースは憂鬱という意味です。
最後にエディとヴェノムはビーチで黄昏ていましたね。そこなのではないでしょうか。曲を聞くと感じると思いますが、何とも悲し気な感じがします。
29. Venom’s Suite Tooth ヴェノムの揃った歯
suiteはスイートと読み、一式という意味があります。
ホテルのスイートルームのsuiteです。ちなみに英語では『suite room』とは言わず、『suite』だけになります。スイートルームのスイートは、甘いという意味のsweetではないので注意しましょう。
30. Brock and Roll ブロックとロール
ブロックはエディ・ブロックのブロックです。rollは何を意味しているのだろうか。
rollは、動詞だと『転がる、巻く』といった意味があり、名詞だと『巻いたもの、名簿』といった意味があります。また、他にも面白いものがあり、『雷の轟き、船の横揺れ』といった意味もあります。他にも『Let’s roll!』で『さぁ始めるぞ!』って意味にもなります。
最後のポストクレジットで、エディとヴェノムは何かに巻き込まれて、時空を移動したようです。その移動先は、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の世界のようでしたね。テレビのニュースにはトム・ホランド演じるスパイダーマンの姿が写されており、さらにスパイダーマンの正体がピーター・パーカーであることが暴露されていました。
これから、エディとヴェノムの物語が新たに始まるようにも感じましたね。なので、そういった始まりや時空の揺れをrollが表しているのかもしれません。
おわり
訳をしていて気に入ったのは、こちらです。
18. People Seeing Monsters 人々はモンスターたちを目にする
タイトルの複数形であるMonstersが何を指しているのか、クレタスで1人目、カーネイジが2人目、この2人で複数形のMonstersだと考えるとしっくりきました。真意は分かりかねますが、こうやってファン目線で考察していくのは面白いですね。
最近サントラの記事を書くことが多くて楽しいです。今年は
のサントラのタイトルを日本語訳してまとめました。楽しかったですね。
映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のサントラの記事も書く予定です。海外では12月に公開ですが、日本では1月なので、今年最後のサントラの記事になりそうです。
これからもマーベルの新作映画が公開されたらすぐに記事を作るので、サントラが好きな人はまた記事を読みに来てほしいです。
これまでに色んなMCUのサントラの記事を作っているので、サントラが好きな人はぜひ読んでみてください。MCUのサントラ事情は面白くて、フェーズによって特徴があったりするんですよ!
それではまた違う記事で会いましょう。
関連記事
参照:VENOM: LET THERE BE CARNAGE – Official Trailer (HD)
https://youtu.be/-ezfi6FQ8Ds
参照:VENOM: LET THERE BE CARNAGE – Official Trailer 2 (HD)
https://youtu.be/-FmWuCgJmxo
(参照2021/12/03)
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