MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズのフェーズ4に当たる映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』
今回はこの映画の名言と名シーンを紹介します。
セリフについては、元の英語・日本語字幕・日本語訳を紹介していきます。
映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』より
1.「私は理性的で 手加減してあげてる」
ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)
But I do hope you understand that even now,
字幕:でも 分かって 今から私が
訳 :でも 私は今でもあなたが分かってくれることを望むわ
what’s about to happen,
字幕:何をしようと
訳 :何が起ころうと
this is me being reasonable.
字幕:私は理性的で 手加減してあげてる
訳 :これは私が理性的だということよ
シーン:子供たちを思うがゆえに暴走してしまい、実質今作のヴィランのような立ち位置になってしまったワンダ。作中ではモンスター・怪物のように言われてもいましたね。そのワンダがストレンジたちと対峙したときに『私は理性的よ』と言いました。
そして、ここでは『理性的な』という意味でreasonable(リーズナブル)という単語が使われています。普段、私たち日本人は商品の値段が安いと思ったときに『リーズナブルだね』などと使っていますが、実はこのリーズナブルは和製英語で、本来は『理性的な』という意味なんです。
英語の解説
形容詞:reasonable
意味:理性的な、合理的な、妥当な
本来のreasonableは理性的や合理的であること、つまり『納得のいく、筋の通った』といった意味を表します。
日本語の『安い』という意味は、おそらくですが『合理的な、妥当な』⇒『値段に納得のいく、適正価格』⇒『安い』といったように連想されて、生まれたのでしょう。
動名詞:(me) being reasonable
意味:(私が)理性的だということ
文の主語と動名詞の意味上の主語が一致しない場合、意味上の主語を動名詞の前に置きます。
意味上の主語は代名詞の場合は所有格か目的格、名詞の場合は所有格かそのままの形で置きます。セリフでは目的格のmeが意味上の主語として置かれています。
this is me being reasonable.
訳:これは私が理性的だということよ
2.「まだやれる」
ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ
Haven’t you had enough?
字幕:もう十分でしょ?
ペギー・カーター / キャプテン・カーター(ヘイリー・アトウェル)
Oh, I could do this all day.
字幕:まだやれる
シーン:異世界でのイルミナティVSワンダのシーンです。他のメンバーがやられてしまい、最後の1人になってしまったペギーがワンダに立ち向かいながらこう言いました。
MCUの世界ではスティーブがキャプテン・アメリカを引退してしまったため、もうこのセリフを聞けないのではと思っていましたが、まさか異世界のペギーが言ってくれるとは!嬉しいファンサービスですね。
キャプテン・アメリカが『I can(could) do this all day.:まだやれるぞ』を言ったシーンについてはこちらの記事でまとめています。よければそちらもご覧ください。
3.「私が愛します」
ワンダ・マキシモフ
They’ll be loved.
字幕:私が愛します
訳 :子供たちは愛されるわ
シーン:映画の終盤、子供を追い求めるあまり暴走してしまったスカーレット・ウィッチに別次元のワンダがこの言葉をかけます。これを聞いたスカーレット・ウィッチは自らの過ちに気付き、暴走を止めます。
英文を見てみると受動態(受け身)になっているのが分かります。これはとても面白い英文になっていて、同じく母親であるスカーレット・ウィッチに対しての、別次元のワンダの思いやりが含まれています。詳しくは英語の解説と共に書いていきます。
英語の解説
受動態(受け身)
作り方:be動詞+動詞の過去分詞形
意味:~される
主語が『~される』という意味の受け身の形です。セリフではbe動詞の原形beと動詞の過去分詞形lovedが使われています。
字幕からは分かりにくいですが、直訳してみると受動態の表現が使われているのが分かります。
They’ll be loved.
訳:子供たちは愛されるわ
『by 行為者』の省略
受動態の文では『~によって』と行為者を表すbyがよく使われますが、この部分はなくても文は成り立ちます。
セリフには『by 行為者』がありませんでした。おそらくなのですが『by us:私たちによって』が省略されていて、あえて言わなかったのかもしれません。
They’ll be loved (by us).
訳:子供たちは(私たちに)愛されるわ
この『us:私たち』には、別次元のワンダだけでなくスカーレット・ウィッチも含まれているのだと思います。また、父親であるヴィジョンも含まれていてもおかしくありません。
日本語字幕の『私が愛します』だと、そのセリフを言った別次元のワンダだけが子供を愛しているようなニュアンスになってしまいます。
しかし、英文では受動態になっていて『子供たちは私たち皆から愛されている』とも解釈できます。つまり、『あなたからも愛されているのよ』というニュアンスも含んでいると考えられます。そう考えると、すごくグッとくるセリフですよね。
4.「全ての宇宙で君を愛してる」
スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)
I love you in every universe.
字幕:全ての宇宙で君を愛してる
シーン:事態が解決し、ストレンジが元の世界に戻る際に異世界のクリスティーンに言ったセリフです。ストレンジはどの次元でも愛するクリスティーンと結ばれないという悲しい運命を背負っています。
ストレンジは思い人とは結ばれず、これからも世界を守り続けなくてはなりません。ヒーローらしいとはいえ、なんとも切ないですね。
5.「この人生に感謝してる 数々の試練にも」
ウォン(ベネディクト・ウォン)
Sometimes, I do wonder about my other lives.
字幕:時々 別の人生のことを考えたりもする
訳 :時々 私は自分の他の人生について考えることがある
Yet I remain grateful in this one.
字幕:だが この人生に感謝してる
訳 :けれども 私はこの人生に感謝している
Even with its tribulations.
字幕:数々の試練にも
訳 :たとえ苦難があっても
シーン:映画の最後、カマー・タージでストレンジに「幸せか?」と尋ねられたウォンが少し考え、こう答えます。ウォンはストレンジが消えていた5年の間に至高の魔術師となっており、今回の出来事だけではなく、その間にも様々な苦難があったのでしょう。
しかし、彼は今の人生を受け入れているようです。自分の人生に思い悩んでいるストレンジを元気づけようとした一言なのかもしれませんね。
英語の解説
助動詞:do, does, did
意味:強調
助動詞doは強調の意味を持っています。3人称単数現在の文ではdoesを、過去形の文ではdidを使います。
Sometimes, I do wonder about my other lives.
訳:時々 私は自分の他の人生について考えることがある
単数形:life
複数形:lives
意味:人生、生命
名詞life(ライフ)の複数形は、語尾の『-fe』を『-ves』に変えてlives(ライブズ)となります。
このように『-f, -fe』で終わる名詞を複数形にする場合は『-f, -fe』を『-ves』に変える必要があるので注意しましょう。
Sometimes, I do wonder about my other lives.
訳:時々 私は自分の他の人生について考えることがある
最後に
映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の名言・名シーンをまとめました。まだまだ名言はあるのでまた記事を作っていきたいですね。
またMCUの名言を紹介していきたいと思います。
タグを使って好きな記事を読もう!
英語表現や映画、キャラクターごとにタグを作っています。興味のあるタグで色々な記事を読んでもらえると嬉しいです。
映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』, 名言・名シーン〇選
ウォン , スカーレット・ウィッチ , ドクター・ストレンジ
助動詞do , 動名詞の意味上の主語 , 単数形/複数形 , 受動態 , 形容詞
Twitterはこちら
記事の更新などのを告知をしています。フォローをよろしくお願いします。
オススメの記事
参照:ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
https://disneyplus.disney.co.jp/
(参照2023/06/24)
コメントを書く