映画『アナと雪の女王』(2013年)より
原題『Frozen』
挿入歌『Let It Go』の歌詞を1つ1つ文法解説していきたいと思います。
エルサがアレンデール王国から追われ、雪山で1人になります。そのときに流れた挿入歌です。
英語の歌詞、日本語字幕版の歌詞、日本語吹替版の歌詞(『邦題:ありのままで』の歌詞)、英語の歌詞の和訳を比較し、文法の解説をしていきます。
曲・歌詞の意味を知ることで、映画の理解がより深まると思います。一緒に楽しく英語を学んでいきましょう。
こちらの記事はPart3になります。以前の記事はこちらからご覧ください。
挿入歌『Let It Go』の歌詞を和訳
歌詞の比較 1
Don’t let them in
字幕:秘密を悟られないで
吹替:戸惑い
訳 :誰にも入られないように
Don’t let them see
吹替:傷つき
訳 :誰にも見られないように
英語の解説
単語の解説
let:動詞
意味:許可する、させる
them: 代名詞
意味:彼ら、彼女ら、それら
3人称複数の目的格、今回は不特定の人々を指しています。
see: 動詞
意味:見る
let O in
意味:Oを中に入れる
Don’t let them in
字幕:秘密を悟られないで
吹替:戸惑い
訳 :誰にも入られないように
この歌詞ではO(目的語)に当たるのは『them:彼ら、彼女ら』です。歌詞的には『エルサ以外の人』だと考えるといいと思います。
さらにDon’tが付いた否定の命令文なので、訳す場合は『them:誰も』とするといいでしょう。よって『誰にも入られないように』と訳せます。
使役動詞:let O do
意味:Oに~させる
使役動詞のletになります。このdoは原形不定詞とも言います。
曲のタイトルにもある『Let It Go』のletも、今回の使役動詞のletと同じ使い方です。
Don’t let them see
吹替:傷つき
直訳:誰にも見させない
訳 :誰にも見られないように
歌詞の比較 2
Be the good girl (that) you always have to be
字幕:いつも素直な娘で
吹替:誰にも打ち明けずに
訳 :いい子でいなきゃいけないの あなたはいつもそうでいなきゃならないね
英語の解説
単語の解説
always:副詞
意味:いつも
頻度を表す副詞です。
have to :熟語
意味:~しなければならない
命令文:Be the good girl
意味:よい娘でなければならない
この英文は命令文になっています。
命令文
作り方:動詞の原形 ~
命令文は動詞の原形を文頭に置いて作ります。なので、歌詞でも文頭に『Be』が置かれています。
関係代名詞の目的格:(that) you always have to be
意味:あなたはいつもそうでいなければならない
Be the good girl (that) you always have to be
字幕:いつも素直な娘で
吹替:誰にも打ち明けずに
訳 :いい子でいなきゃいけないの あなたはいつもそうでいなきゃならないね
関係代名詞節の『(that) you always have to be』が先行詞の『the good girl』を修飾しています。
この歌詞で面白いのは、関係代名詞節の主語が『you:あなた』になっているろころです。これは『I:私』にしてもいいのですが、『you:あなた』にすることでエルサが自分自身に言い聞かせている形になっています。エルサが自分自身に『あなた(私)はいい子でいなきゃいけないのよ』と言っている感じです。
最後に
いかがでしたでしょうか。挿入歌『Let It Go』の解説になりました。
Be the good girl (that) you always have to be
字幕:いつも素直な娘で
吹替:誰にも打ち明けずに
訳 :いい子でいなきゃいけないの あなたはいつもそうでいなきゃならないね
今回解説した中では『you always have to be:あなたはそうでいなければならない』の部分が良かったですね。
『you:あなた』ではなく『I:私』でもいいのに、あえて『you』にしているのがいいところですね。
日本語でも『あなた(自分)ならできる!』と自分に言い聞かせますよね。この感覚が英語でもあるというのが分かって、それもまた面白いです。
自分自身を『あなた』にして言い聞かせる感覚は日本語も英語も共通なんですね。他の言語がどうなのか気になるところ…
今回この記事を作ろうと思ったのは、この歌『Let It Go』を歌いたいと思ったからです。歌ううえで、しっかりと文法を理解してから歌いたいと思ったので記事にしました。
同じようにしっかりと文法を理解して歌いたい人の参考になったらと思います。
また続きの歌詞も解説していきたいと思います。
これまでディズニー映画の挿入歌を訳したことがなかったので、新鮮味があって楽しいです。いつもはマーベル、MCUの曲を中心に解説しています。特に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の曲が好きなので、そればかり解説していました。今後はディズニーの曲も扱っていきたいです。
また次の記事で会いましょう。
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参照:アナと雪の女王
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(参照2023/10/03)
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