映画『アナと雪の女王』(2013年)より
原題『Frozen』
挿入歌『Let It Go』の歌詞を1つ1つ文法解説していきたいと思います。
エルサがアレンデール王国から追われ、雪山で1人になります。そのときに流れた挿入歌です。
英語の歌詞、日本語字幕版の歌詞、日本語吹替版の歌詞(『邦題:ありのままで』の歌詞)、英語の歌詞の和訳を比較し、文法の解説をしていきます。
曲・歌詞の意味を知ることで、映画の理解がより深まると思います。一緒に楽しく英語を学んでいきましょう。
こちらの記事はPart9になります。以前の記事はこちらからご覧ください。
挿入歌『Let It Go』の歌詞を和訳
歌詞の比較 1
Let it go Let it go
字幕:これでいいの かまわない
吹替:ありのままで
訳 :魔法を解き放つ
I am one with the wind and sky
字幕:風と空は私のもの
吹替:空へ風に乗って
訳 :私は風と空と共にいる人よ
英語の解説
単語の解説
let:動詞
意味:許可する、~させる
使役動詞です。
it:代名詞
意味:それ
3人称単数の代名詞です。『Let it go』のitはエルサの魔法を指しているのだと思います。
もちろん他のものを指していると解釈するのもいいと思います。そうやって考えるのが楽しいですからね!
go:動詞
意味:動く、放つ、行く
one:名詞
意味:人
with:前置詞
意味:~と共にある、~を持つ
熟語・使役動詞
熟語:let it go
意味:(それを)手放す、(それを)放っておく、(それを)そのままにする
この曲の代名詞ともいえる歌詞『Let it go』は上記のような意味として使われます。
直訳すると『それを行かせる』となります。日本語の歌詞では『ありのまま』と訳されています。
使役動詞:let
使役動詞:let O do
意味:Oに~させる
Let it go! Let it go!
字幕:これでいいの かまわない
吹替:ありのままの
訳 :魔法を解き放つ
使役動詞letには『~させる』という意味があります。
歌詞の流れだと『it=エルサの魔法・秘密』だと考えられます。なので『魔法をそのまま行かせる』⇒『魔法を解き放つ』という意味なのだと、私は解釈しました。
歌詞の比較 2
Let it go! Let it go!
字幕:これでいいの かまわない
吹替:ありのままで
訳 :魔法を解き放つ
You’ll never see me cry.
字幕:二度と涙は流さない
吹替:飛び出してみるの
訳 :あなたは私が泣くのを見ることはないでしょう
英語の解説
単語の解説
never:副詞
意味:決して~ない
see:動詞
意味:見る
知覚動詞の1つです。
cry:動詞
意味:涙する、鳴く
知覚動詞:see
see O 原形不定詞
意味:Oが~するのを見る
知覚動詞seeの後に目的語と原形不定詞を続けると『目的語が~するのを見る』という文を作れます。
You’ll never see me cry.
訳:あなたは 私が泣くのを見ることは 決してないでしょう
このセリフではO(目的語)は『me:私』になっていますね。
この知覚動詞のポイントは原形不定詞『cry:泣く』を行うのが、O(目的語)である点です。ここでは『私が泣く』ということになります。
他の知覚動詞
watch O 原形不定詞:Oが~するのを見る
hear O 原形不定詞:Oが~するのを聞く
feel O 原形不定詞:Oが~するのを感じる
notice O 原形不定詞:Oが~するのに気づく
他の知覚動詞でも、目的語と原形不定詞を続けて同様の構文が作れます。
知覚動詞の構文
see O 原形不定詞:Oが~するのを見る
see O 現在分詞:Oが~しているのを見る
see O 過去分詞:Oが~されるのを見る
知覚動詞を使った構文では、原形不定詞以外にも現在分詞(doing)や過去分詞をとることができます。
歌詞の比較 3
Here I stand And here I’ll stay
字幕:私の道を行く ここは私の王国
吹替:二度と涙は
訳 :私はここに立っている 私はここにいる
Let the storm rage on
字幕:嵐よ 吹き荒れるがいい
吹替:流さないわ
訳 :嵐を吹き荒らせる
英語の解説
単語の解説
here:副詞
意味:ここ
stand:動詞
意味:立つ
stay:動詞
意味:とどまる、滞在する
storm:名詞
意味:嵐、暴風雨
rage:動詞
意味:激怒する、怒り狂う
使役動詞
使役動詞:let O do
意味:Oに~させる
曲のタイトルの『Let It Go』にもある使役動詞letを使った文です。
Let the storm rage on
字幕:嵐よ 吹き荒れるがいい
吹替:風よ吹け
訳 :嵐を吹き荒らせる
『the storm:嵐』はエルサの魔法のことだと思います。
なので『さあ、私の秘密にしていた魔法よ、吹き荒れろ!』といった感じに、エルサがこれまでの抑えてきた感情を解き放つような描写なのだと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。挿入歌『Let It Go』の解説になりました。
今回解説した部分・歌詞はすでに以前登場した歌詞でもあったので、解説が重複してしまった部分もありました。
同じ歌詞を何度も使う表現は、個人的には好きですね。歌いやすいですし、子供も覚えやすくていいと思います。
今回は知覚動詞が使われているのがよかったですね。知覚動詞は高校範囲ですが、慣れればそんなに難しくないので、このフレーズを覚えてしまうのがいいですね。
訳していて気付いた点があります。
吹替(歌の歌詞)は、英語『You’ll never see me cry』が『二度と涙は流さないわ』と訳されていますが、他の『Here I stand And here I’ll stay Let the storm rage on』は、日本語の吹替には反映されていませんね。
こういうところにも気付けると面白いですね。他の部分の歌詞を見ると『storm:嵐・風』がしっかりと日本語訳に現れているときもありますね。こちらで確認できます。【例1・例2】
You’ll never see me cry
字幕:二度と涙は流さない
吹替:飛び出してみるの
訳 :あなたは私が泣くのを見ることはないでしょう
Here I stand And here I’ll stay
字幕:私の道を行く ここは私の王国
吹替:二度と涙は
訳 :私はここに立っている 私はここにいる
Let the storm rage on
字幕:嵐よ 吹き荒れるがいい
吹替:流さないわ
訳 :嵐を吹き荒らせる
今回は以上となります。
今回この記事を作ろうと思ったのは、この歌『Let It Go』を歌いたいと思ったからです。歌ううえで、しっかりと文法を理解してから歌いたいと思ったので記事にしました。
同じようにしっかりと文法を理解して歌いたい人の参考になったらと思います。
こちらの記事はPart9になります。以前の記事はこちらからご覧ください。
また続きの歌詞も解説していきたいと思います。
これまでディズニー映画の挿入歌を訳したことがなかったので、新鮮味があって楽しいです。いつもはマーベル、MCUの曲を中心に解説しています。特に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の曲が好きなので、そればかり解説していました。今後はディズニーの曲も扱っていきたいです。
また次の記事で会いましょう。
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(参照2024/04/16)
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