MCUの始まりの作品であり、最初のヒーローである『Iron Man:アイアンマン』
アイアンマンの『iron(アイアン)』は『鉄』という意味として知られていると思いますが、他にも鉄・金属を意味する英語として『steel(スチール)』や『metal(メタル)』などが思い浮かぶのではないでしょうか?
今回の記事では、これらの英語の違いをマーベル映画のワンシーンを使って紹介・解説していこうと思います。
英語の意味を知ることで映画の理解がより深まると思います。一緒に楽しく英語を学んでいきましょう。
『iron, steel, metal』の違い
iron(アイアン)
意味:鉄、純鉄
加工されていない純粋な鉄や原材料、素材としての鉄を指します。また、鉄分などの成分を表すこともあります。
ちなみに衣服のしわを伸ばす道具の『アイロン』はこの『iron(アイアン)』が語源となります。
日本に英語が入り始めた幕末頃では、まだ誤読などが多かったため『iron』が『アイロン』と読まれ、それが定着してしまいました。
steel(スチール)
意味:鋼(はがね)、鋼鉄
鉄を人工的に加工して強度を上げたものです。日本語だと『鋼(はがね)』にあたります。
ちなみにこの『steel:鋼』と『steal:盗む』は、発音が同じ同音異義語になります。
metal(メタル)
意味:金属
鉄だけではなく金・銀・銅・アルミニウムなど、金属全般を指す言葉になります。
映画『アイアンマン』より
トニー・スターク / アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)
The truth is…
字幕:真実を言うと
訳 :真実は…
I am Iron Man.
字幕:私がアイアンマンだ
訳 :私こそがアイアンマンだ
映画の最後、トニーとオバディアの戦いで起こった事故についての記者会見のシーンです。トニーは事故には関わっておらず、アイアンマンの中身は警備員だったということにするため、コールソンに会見ではメモを読むように言われます。さらにローディにもメモを読むように念を押されますが、トニーは自分がアイアンマンであることを明かします。
トニー、アイアンマンの1番の名言といったら、やっぱりこれですよね!MCUのインフィニティ・サーガは映画『アイアンマン』の『I am Iron Man.』で始まり、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の『I am Iron Man.』で一区切りがついたように感じます。
英語の解説
『I am』と『I’m』の違い
I am ~
意味:強調
短縮形の『I’m』よりも『I am』の方が聞き手に対してより強調・自己主張をすることができます。
『I am Iron Man.』は『私こそがアイアンマンだ!』といったニュアンスで強調しており、トニーの自己主張の強さを表しているとも言えます。
簡単な会話では短縮形『I’m』を使い、重要な場面・強調したいときは『I am』を使うといいでしょう。
映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』より
ハワード・スターク(ドミニク・クーパー)
Vibranium. It’s stronger than steel and a third the weight.
字幕:ヴィブラニウムだ 鋼鉄より強くて軽い
訳 :ヴィブラニウム それは鋼鉄よりも強くて 3分の1の重さだ
スティーブが対ヒドラの部隊を結成し、準備を進めているシーンです。ハワードのもとを訪ねて新しい装備を見せてもらっている中で、スティーブは後にキャプテン・アメリカの象徴にもなるヴィブラニウムの盾を手に取ります。
ハワードがヴィブラニウムの説明をする際に『鋼鉄』を比較対象にしていますね。やはり、硬くてよく使われる代表的な金属が『鋼鉄(鉄)』なのでしょう。
英語の解説
英語の分数の表し方
英語で分数を表す場合は分子を基数で、分母を序数で表します。
基数:one, two, three, four, five など
序数:first, second, third, fourth, fifth など
基数のoneはaを用いることもできます。セリフでは『a third:3分の1』が使われています。
It’s stronger than steel and a third the weight.
訳:それは鋼鉄よりも強くて 3分の1の重さだ
ただし分母が2の場合はhalfを、4の場合はquarterを使います。また分子が2以上(two以上)の場合は分母の序数を複数形にします。
2分の1(1/2):a half, one half
4分の1(1/4):a quarter, one quarter
3分の2(2/3):two thirds
2分の3(3/2):three halves
単語の解説
形容詞:strong
意味:強い
原級-比較級-最上級:strong – stronger – strongest
セリフでは比較級strongerが使われています。
映画『アベンジャーズ』より
ソー(クリス・ヘムズワース)
This is beyond you, metal man.
字幕:引っ込んでろ 鉄の男よ
訳 :これはお前たちの域を越えている 金属男よ
ソーがロキを連れ去ろうとし、トニーと衝突することになったシーンです。スーツを身にまとったトニーに対して『metal man:金属男』と言っています。
たしかに金属のスーツを身にまとっているので間違ってはいないのですが、『メタルマン』だとアイアンマンのパクリのB級映画になってしまいますね。
英語の解説
単語の解説
前置詞:beyond
意味:~を越えて、~を過ぎて
おまけ:映画『アイアンマン』より
では、アイアンマン・スーツが実際に『iron:鉄』でできているかというと違うようで、トニーがこのように言っています。
トニー・スターク / アイアンマン
“Iron Man.” That’s kind of catchy. It’s got a nice ring to it.
字幕:“鋼鉄の男(アイアンマン)”か いいね
訳 :“鉄の男” キャッチーだな いい響きだ
The suit’s a gold-titanium alloy, but it’s kind of evocative, the imagery, anyway.
字幕:材料は金とチタンの合金だが この名前は想像力を刺激する
訳 :スーツは金とチタンの合金だか とにかくイメージを呼び起こすものだな
最後の記者会見の直前に、トニーは自身が新聞で『鉄の男(アイアンマン)』と報道されていることを知ります。実際は『鉄』ではなく『金とチタンの合金』だと言っていますが、この名前が気に入ったのようで、この後『アイアンマン』と名乗ることになります。
たしかに『ゴールドマン』や『チタンマン』じゃあまり響きがよくないですしね。
英語の解説
単語の解説
kind of
意味:ちょっと、なんか、何というか、まあ
『kind of』は『~の種類』で覚えている方が多いと思いますが、口語では『まあ何というか』といった感じに曖昧さを表す表現としても使います。
形容詞:catchy
意味:人の心を捕らえる、受けそうな、キャッチーな
名詞:gold
意味:金、黄金
名詞:titanium
意味:チタン、チタニウム
名詞:alloy
意味:合金
形容詞:evocative
意味:呼び起こす、喚起する、刺激的な
名詞:imagery
意味:心像、イメージ
副詞:anyway
意味:とにかく
最後に
『iron, steel, metal』の違いの解説になりました。
やはり『Iron Man:アイアンマン』という響きがカッコイイですよね。これがスチールマンとかだったら、いまいちピンとこない感じになってしまいますよね。
トニーの名言である『I am Iron Man.:アイ・アム・アイアンマン』も韻を踏んでいるようになっていて聞こえがいいですよね。こういったヒーロー・キャラクターたちのネーミングも考えられて作られているんだなと感じます。
この記事を読んで、英語って楽しい!英語の勉強をしたくなった!って感じてもらえたら嬉しいです。
では、また英語解説の記事で会いましょう。
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(参照2023/11/09)
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