第444回.トニーの名言『手渡しは嫌いだ』は英語で何と言う?動名詞を解説
映画『アベンジャーズ』(2012年)より
原題『Marvel’s The Avengers』
問題
トニー・スターク / アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)
I don’t like being __ things.
字幕:手渡しは嫌いで…
訳 :私は物を手渡しされるのが好きじゃない
__に入るのはどちらでしょう?
①handing
②handed
映画のシーン
映画:アベンジャーズ
シーン:コールソンがキューブが盗まれたことをトニーに知らせに来て協力を求めるシーン。コールソンが事件についての資料をトニーに手渡そうとしますが、トニーは手渡しされるのを嫌がって、代わりにペッパーが受け取ります。
答え
正解は②handedです!
トニー・スターク / アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)
I don’t like being handed things.
字幕:手渡しは嫌いで…
訳 :私は物を手渡しされるのが好きじゃない
詳しい英語の解説
・動名詞:being handed things
意味:物を手渡しされること
動詞のing形を用いて『~すること』という意味の動名詞を作っています。動名詞は名詞句となり1つの名詞として扱われます。
名詞なので主語や目的語として使うことができ、セリフでは動詞likeの目的語として使われています。
・受動態:be handed
意味:手渡しされる
『be動詞+動詞の過去分詞形』で『~される』という意味の受動態(受け身)の表現を作れます。
セリフではこの部分が動名詞になっているため、be動詞がing形のbeingになっています。
・動詞:hand
意味:~を手渡す
よく目にするhandは『手』という意味の名詞ですが、今回は使われているのは『~を手渡す』という意味の動詞となります。
また、受動態として使われているので過去分詞形のhandedになっています。
トニーが手渡しされるのを嫌がるシーンは映画『アイアンマン2』でもあります。
ペッパーへのお土産としてイチゴを買うシーンで手渡しを嫌がり、車の座席にイチゴを置かせていました。映画『アベンジャーズ』では、このセリフをオマージュしているのでしょう。ちなみに、英文は少しだけ違いがあります。
トニー・スターク / アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)
I don’t like people handing me things.
字幕:手渡しは嫌いだ
訳 :私は人が私に物を手渡しするのが好きじゃない
・動名詞:(people) handing me things
意味:(人が)私に物を手渡しすること
文の主語と動名詞の意味上の主語が一致しない場合、意味上の主語を動名詞の前に置きます。
意味上の主語は代名詞の場合は所有格か目的格、名詞の場合は所有格かそのままの形で置きます。セリフではpeopleが意味上の主語にあたり、そのままの形で置かれています。
2つのセリフを見てみると日本語字幕はほとんど同じですが、使われている英語の表現が微妙に違っていますね。
映画『アベンジャーズ』では動名詞と受動態が、映画『アイアンマン2』では意味上の主語を含む動名詞が使われています。
映画『アベンジャーズ』
I don’t like being handed things.
字幕:手渡しは嫌いで…
訳 :私は物を手渡しされるのが好きじゃない
映画『アイアンマン2』
I don’t like people handing me things.
字幕:手渡しは嫌いだ
訳 :私は人が私に物を手渡しするのが好きじゃない
最後に
今回はここまでです。こういった過去作を意識したセリフなんかを見つけられると、ファンとしては嬉しいですよね。
今回のセリフのように動名詞になる部分に他の英語の表現を合わせて使うこともできます。特に受動態の表現は日本語訳に現れないことが多いので、注意して見てみましょう。
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https://marvel.disney.co.jp/movie.html
(参照2022/03/03)
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