第513回.『ほとんど』という意味の『almost, mostly, most』の違いは?
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)より
原題『Avengers: Endgame』
問題
ブルース・バナー / ハルク(マーク・ラファロ)
You saw what those stones did to Thanos.
字幕:あの時 サノスでさえ
訳 :君たちは ストーンがサノスに何をしたか 見ただろう
They __ killed him.
字幕:死にかけた
訳 :それらは彼をほとんど殺しかけた
__に入るのはどれでしょう?
①almost
②mostly
③most
映画のシーン
映画:アベンジャーズ/エンドゲーム
シーン:ナノ・ガントレットが完成し、誰が指パッチンをするかを話し合っているシーン。石のパワーはサノスでさえ死にかけるほど危険ですが、バナーが『石のパワーはガンマ線だから、これは僕の役目だ』と名乗り出て、指パッチンをすることになります。
答え
正解は①almostです!
ブルース・バナー / ハルク(マーク・ラファロ)
They almost killed him.
字幕:死にかけた
訳 :それらは彼をほとんど殺しかけた
詳しい英語の解説
副詞:almost
意味:ほとんど、もう少しで
『その状態になる手前だ』という意味の副詞です。セリフでは『石がサノスをもう少しで殺すところだった』という意味で使っています。
副詞:mostly
意味:ほとんど、大部分は
『量的に大部分を占める』という意味の副詞です。ちょうど問題にしたセリフの後に、バナーがmostlyを使ったセリフを言っています。
But the radiation’s mostly gamma.
字幕:だが 石のパワーはガンマ線
訳 :しかし 放射線のほとんどはガンマ線だ
こちらでは石に含まれる放射線の量の大部分がガンマ線であると言っているので、『量的に大部分を占める』という意味のmostlyが使われています。
形容詞:most
意味:ほとんどの
こちらは『ほとんどの』という意味の形容詞、または『ほとんどのもの』という意味の代名詞として使われます。
バナーの1つ目のセリフの『what those stones did to Thanos』の部分は、関係詞節または間接疑問文のどちらとも捉えることができます。どちらも名詞節として扱うので、文法的な違いはありません。
関係詞:what S V
意味:~すること、~するもの
関係詞whatは先行詞なしで使うことができます。what自身が先行詞+関係代名詞『the thing (that)』になっていると考えましょう。
間接疑問文
作り方:疑問詞+肯定文
間接疑問文は疑問詞の後に肯定文の文続けて、名詞節を作ります。
関係詞節と捉えるか間接疑問文と捉えるかで日本語訳が少し変わりますが、このセリフの場合は意味の違いがほとんどありません。なので、どちらの表現で捉えても問題ないでしょう。
You saw what those stones did to Thanos.
関係詞節 :君たちは ストーンがサノスにしたことを 見ただろう
間接疑問文:君たちは ストーンがサノスに何をしたか 見ただろう
最後に
今回はここまでです。日本語字幕だと『サノスが死にかけた』となっていますが、もとの英語だと『ストーンがサノスを殺しかけた』となっているのも細かい違いが感じられて面白いですね。
『almost, mostly, most』の違いについては過去にセンター試験でも出たことがある難問です。それぞれの品詞だけでなく、ニュアンスの違いも把握しておきましょう。
他の問題にも挑戦しよう!
他の『マーベル英語検定』の記事のリンクはこちら
Twitterのアカウントはこちら
マーベル英語検定を日々更新しています。フォローよろしくお願いします!
過去の作品はこちら
前回の記事はこちら
【アイアンマン】『立ち止まるな』は英語で何と言う?他動詞『stop』の目的語には『不定詞・動名詞』どちらを置く?【マーベル映画のセリフで英語の問題】
DVD・BD:アベンジャーズ/エンドゲーム
https://marvel.disney.co.jp/movie.html
(参照2022/07/13)
コメントを書く