【キャプテン・アメリカの名台詞】『まだやれるぞ』が一度だけ『I can do this all day.』じゃなかった!?【英語解説有り】

【キャプテン・アメリカの名台詞】『まだやれるぞ』が一度だけ『I can do this all day.』じゃなかった!?【英語解説有り】

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズのアベンジャーズのリーダーであるキャプテン・アメリカ

彼の1番の有名であろう名言の『I can do this all day.』、日本語で『まだやれるぞ』があります。

このセリフは劇中で何度か使われていて、合計4回使われています。と、以前こちらの記事でも解説していたのですが、調べなおしていたところ間違いであることに気付きました。申し訳ございませんでした。

 

4回言っていたと思っていたところ、1回は違う英語表現でした。

さらに、その英語の違いを知るとキャップ、スティーブ・ロジャースの心の内が分かるのです!それは日本語字幕からは決して分かることはないモノです。

どうしてあの時、この『I can do this all day.』を言わなかったのか、解説していきます。

 

『I can do this all day.』のシーン

1.映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年)より

キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー

悪漢

You just don’t know when to give up, do you?

字幕:もう あきらめろ

訳 :お前は いつあきらめたらいいのか 分からないのか?

吹替:いい加減 あきらめたらどうだ?

 

キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャース

I can do this all day.

字幕:絶対 嫌だ

訳 :私はこれを 一日中できる

吹替:絶対あきらめない

シーン:初めてこの『I can do this all day.』を言ったシーンです。まさかMCUで何度も言われるセリフになろうとはこの時予想だにしませんでした。

スティーブ・ロジャースがまだキャプテン・アメリカになる前にこのセリフを言っていたのもポイントですね。

スティーブは映画館で、映画に難癖をつけている男に注意をしたところ、その男と裏路地でケンカをすることに。この後バッキーが助けに入ってくれます。

喧嘩中に路地に落ちているゴミ箱の蓋を、シールドのように持っていたのも印象的なシーンですね。

 

2.映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年)より

キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャーキャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー

レッド・スカル

He gave you everything.

字幕:お前には与えた

訳:博士はお前に全てを与えた

吹替:お前には何もかも与えた

 

So, what made you so special?

字幕:それで、お前の何が特別なんだ?

訳:それで、何がを前をそう特別にしたんだ?

吹替:何がそんなに特別なんだ?

 

キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャース

Nothing. I’m just a kid from Brooklyn.

字幕:何も ただのガキだ

訳:何もない 私はただのブルックリンのガキだ

吹替:何も ブルックリン出のガキだ

 

I can do this all day.

字幕:あきらめないぞ

訳 :私はこれを一日中できる

吹替:絶対あきらめない

シーン:同じ映画で2度言われたこのセリフは、キャプテン・アメリカとレッド・スカルが対峙しているシーンで言われました。

 

1度目も、2度目も吹替はどちらも『絶対にあきらめない』ですが、字幕は違っていて

1度目:絶対 嫌だ

2度目:あきらめないぞ

とシーンに合わせて変えていますね。

 

このシーンでは、『自分はただのブルックリン出身のガキだ』とキャプテン・アメリカは言っていますが、この『ブルックリン出身』というフレーズは後々MCUで何度か使われます。

 

3.映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)より

アベンジャーズ/エンドゲームアベンジャーズ/エンドゲーム

キャプテン・アメリカ(2012年)

I have eyes on Loki. 14th floor.

字幕:ロキを発見 14階だ

訳 :私はロキを見つけた 14階だ

吹替:ロキを発見した 14階だ

 

キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャース

I am not Loki, and I don’t wanna hurt you.

字幕:ロキじゃない 君を傷つけたくない

訳 :私はロキじゃない それに 君を傷つけたくない

吹替:ロキじゃない 君に怪我をさせたくない

 

キャプテン・アメリカ(2012年)

I can do this all day.

字幕:まだやれる

訳 :私はこれを一日中できる

吹替:まだやれるぞ

 

キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャースのセリフ

Yeah, I know. I know.

字幕:だろうな 知ってるよ

訳 :あぁ 分かってる 分かってるよ

吹替:だろうな 分かってる

シーン:キャプテン・アメリカが、映画『ウィンター・ソルジャー』のエレベーターシーンをオマージュした後、過去の自分と出会ってしまったシーンで、過去のキャプテン・アメリカが『I can do this all day.』を言います。

 

以上の3回が『I can do this all day.』のシーンになります。もう1つは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』からになります。

 

『I could do this all day.』のシーン

映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)より

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ  シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

アイアンマン / トニー・スターク

Stay down. Final warning.

字幕:投降しろ これが最後だ

訳 :座ったままでいろ 最終通告だ

吹替:投降しろ 最後の警告だ

 

キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャース

I could do this all day.

字幕:まだやれる

訳 :私はこれを一日中できるかもしれない

吹替:まだやれるぞ

シーン:アイアンマンことトニー・スタークは、両親を殺したのがウィンター・ソルジャーこと、バッキー・バーンズであることをトニーは知ってしまいます。そして、アイアンマンはウィンター・ソルジャーに襲い掛かり、キャプテン・アメリカはそれを止めようとして、仲間同士であろう3人の戦いが始まってしまいます。

この時のキャップのセリフは『I can do this all day.』ではなく、『I could do this all day.』になっています。

助動詞のcanが、couldに変わっています。この変化がキャップの心情をどう表しているのでしょうか?

結論から言うと、吹替で『まだやれる』と言ってますが、キャップは戦いたくない。と思っているからcanではなく、couldを使ったんです。

 

助動詞couldについて詳しく解説をします。

 

助動詞 could の意味

助動詞のcouldといえば、助動詞can(できる)の過去形ですね。

なので、意味は、『~できた』となりますが、意外とこちらの意味で使うことはそんなに多くはありません。

 

では、どういった意味で使うことが多いのか?というと、推量(かもしれない)の意味です。

辞書にもよりますが、辞書ジーニアスでは『かもしれない』の意味の方が『できた』の項目より先に書かれています。それだけ推量の『かもしれない』を使うことが多いということでしょう。

なので、キャプテン・アメリカはあの時どう思っていたのかを考えたいと思います。

キャプテン・アメリカ I could do this all day

キャプテン・アメリカ / スティーブ・ロジャース

I could do this all day.

字幕:まだやれる

訳 :私はこれを一日中できるかもしれない

吹替:まだやれるぞ

今までのセリフでは『I can do this all day.』だったのが、『I could do this all day.』になっていますね。

 

『I can do this all day.』『私はこれを一日中できる

『I could do this all day.』『私はこれを一日中できるかもしれない

従来のcanを使わず、couldを使うことで、『戦えるではなく、戦えるかもしれない』と、スティーブはトニーとは戦いたくないことが分かります。

 

最後に

キャプテン・アメリカ I could do this all day

映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の時だけ、『I could do this all day.』でした。

今までずっと『I can do this all day.』だと思っていたので、この違いに気付くことができてよかったです。映画を見ていればもちろん、スティーブはトニーと戦いたくないということは重々分かっていましたが、それがあのスティーブの一番の名言である『I can do this all day.』のcanがcouldになることで表現されていたとは驚きました。

この英語の違いは、いちマーベルファンとして知れてよかったです。

 

この記事ではcouldを『推量』として扱って解説をしました。ただ、仮定法として考えたほうがしっくりくると思います。

別の記事で詳しくまとめたので読んで欲しいです。今回のこの記事は仮定法が分からなくても気軽に読める記事。として作りました。

キャップの気持ちをより理解したいかたはこちらを読んでください。

 

MCUのセリフの中には、英語を見ることで気付けることがまだまだ眠っていそうですね。これからも英語の解説を続けていきたいと思います。

 

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DVD・BD:シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

DVD・BD:アベンジャーズ/エンドゲーム

https://marvel.disney.co.jp/movie.html

(参照2021/06/07)

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