映画『アナと雪の女王』(2013年)より
原題『Frozen』
挿入歌『Let It Go』の歌詞を1つ1つ文法解説していきたいと思います。
エルサがアレンデール王国から追われ、雪山で1人になります。そのときに流れた挿入歌です。
英語の歌詞、日本語字幕版の歌詞、日本語吹替版の歌詞(『邦題:ありのままで』の歌詞)、英語の歌詞の和訳を比較し、文法の解説をしていきます。
曲・歌詞の意味を知ることで、映画の理解がより深まると思います。一緒に楽しく英語を学んでいきましょう。
こちらの記事はPart6になります。以前の記事はこちらからご覧ください。
挿入歌『Let It Go』の歌詞を和訳
歌詞の比較 1
I don’t care what they’re going to say
字幕:もう気にしない 何を言われようとも
吹替:何も 怖くない
訳 :人が何と言おうとも 私は気にしないわ
英語の解説
単語の解説
care:動詞
意味: 気にする、心配する、気にかける
what:疑問詞(代名詞)
意味:何
they’re:短縮形
『they are』の短縮形
意味:彼ら(それら)は~だ
熟語:be going to do
意味:~するつもりだ
say:動詞
意味:言う、述べる
don’t care
意味:(悪い意味で)気にしない、どうでもいいよ
動詞careには『関心がある、気にかける』という意味があり、それを否定することによって『どうでもいいよ』といった、気にも留めないような冷たい印象を相手に与えます。
自分が興味がないこと、関心がないことについて『知るか、どうでもいいよ』といったニュアンスで使われます。『don’t mind』と言い間違えてしまうと、険悪なムードになってしまうので注意しましょう。
I don’t care what they’re going to say
訳 :人が何と言おうとも 私は気にしないわ
歌詞に『I don’t care』が使われていることから、エルサが他人の言い分などに左右されず自分の考えで行動しようという印象を受けますね。
間接疑問文・関係詞:what they’re going to say
意味:人が何を言うのか、人が言うこと
『what they’re going to say』は名詞節になっていて、間接疑問文とも関係詞what節とも捉えることができます。
英文としては、どちらとして捉えても大丈夫です。
日本語訳も比較してみます。
・間接疑問文
I don’t care what they’re going to say
私は 人が何を言うのか を気にしない
・関係詞what
I don’t care what they’re going to say
私は 人が言うこと を気にしない
2つの日本語訳を見ても意味にほとんど差がないので、どちらで訳してもいいでしょう。
歌詞の比較 2
Let the storm rage on
字幕:嵐よ 吹き荒れるがいい
吹替:風よ吹け
訳 :嵐を吹き荒らせる
The cold never bothered me anyway
字幕:寒さなど平気よ
吹替:少しも寒くないわ
訳 :とにかく 寒さは私のことを惑わすことはなかった
英語の解説
単語の解説
let:動詞(使役動詞)
意味:許す、許可する
storm:名詞
意味:嵐、暴風雨
rage:動詞
意味:激怒する、怒り狂う
cold:名詞
意味:寒さ、冷たさ
never:副詞
意味:決して~ない
bothered:動詞(過去形)
bother:原形
意味:悩ます
me:代名詞(目的格)
意味:私を
anyway:副詞
意味:とにかく、それにもかかわらず
使役動詞:let O do
意味:Oに~させる
曲のタイトルの『Let It Go』にもある使役動詞letを使った文です。
Let the storm rage on
字幕:嵐よ 吹き荒れるがいい
吹替:風よ吹け
訳 :嵐を吹き荒らせる
『the storm:嵐』はエルサの魔法のことだと思います。なので『さあ、私の秘密にしていた魔法よ吹き荒れろ!』といった感じに、エルサがこれまでの抑えてきた感情を解き放つような描写なのだと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。挿入歌『Let It Go』の解説になりました。
歌詞の『The cold never bothered me anyway』の部分に着目したいと思います。
The cold never bothered me anyway
字幕:寒さなど平気よ
吹替:少しも寒くないわ
訳 :とにかく 寒さは私のことを惑わすことはなかった
歌詞を訳してみると『The cold:寒さ』は『エルサの魔法』を指しているのだと考えられます。
映画を見ている人はおかしいと思いませんでしたか?『寒さは私のことを惑わすことはなかった』とありますが、これまでエルサはずっと魔法(寒さ)に惑わされてきました。
歌詞・英文が間違っているのでは?と感じるかもしれませんが、正しいのです。
エルサは、ここで悟るのです。『魔法は私を惑わしてきたと思っていたけれど、惑わしてはいなかったのだ』と、魔法は自分を惑わす存在ではなかったとエルサは気付くのです。そして、その魔法(寒さ)を開放し、自由に生きていくというわけです。
今回この記事を作ろうと思ったのは、この歌『Let It Go』を歌いたいと思ったからです。歌ううえで、しっかりと文法を理解してから歌いたいと思ったので記事にしました。
同じようにしっかりと文法を理解して歌いたい人の参考になったらと思います。
また続きの歌詞も解説していきたいと思います。
これまでディズニー映画の挿入歌を訳したことがなかったので、新鮮味があって楽しいです。いつもはマーベル、MCUの曲を中心に解説しています。特に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の曲が好きなので、そればかり解説していました。今後はディズニーの曲も扱っていきたいです。
また次の記事で会いましょう。
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参照:アナと雪の女王
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(参照2023/10/03)
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