映画『アナと雪の女王』(2013年)より
原題『Frozen』
挿入歌『Let It Go』の歌詞を1つ1つ文法解説していきたいと思います。
エルサがアレンデール王国から追われ、雪山で1人になります。そのときに流れた挿入歌です。
英語の歌詞、日本語字幕版の歌詞、日本語吹替版の歌詞(『邦題:ありのままで』の歌詞)、英語の歌詞の和訳を比較し、文法の解説をしていきます。
曲・歌詞の意味を知ることで、映画の理解がより深まると思います。一緒に楽しく英語を学んでいきましょう。
こちらの記事はPart7になります。以前の記事はこちらからご覧ください。
挿入歌『Let It Go』の歌詞を和訳
歌詞の比較 1
It’s funny how some distance makes everything seem small
字幕:遠くから眺めると すべてが砂粒のよう
吹替:悩んでいたことが 嘘みたいね
訳 :遠く離れてみると 全てが小さく見えるなんて おかしいわね
英語の解説
単語の解説
funny:形容詞
意味:面白い、おかしい
some:形容詞
意味:いくつかの、いくらかの
distance:名詞
意味:距離
make:動詞
このmakeは使役動詞として使われています。
everything:代名詞
意味:全て、全てのもの
seem:動詞
意味:~のように見える
small:形容詞
意味:小さい、小さな
形式主語のit
it is 形容詞 how SV
意味:SVは、形容詞だ
この構文では形式主語のitが使われており、how以下が真の主語になります。
よく見るのは『it is 形容詞 that SV』の形だと思います。形容詞が『funny, odd, strange』などの場合、こちらが用いられることがあります。
It’s funny how some distance makes everything seem small
遠く離れてみると 全てが小さく見えるなんて おかしいわね
『some distance:いくらかの距離』となりますが、ここでは『遠く離れてみる』と訳してみました。
『遠く離れてみる』または『距離を置いてみる』という意味の『some distance』は、エルサが客観的に物事を見ているという意味なのだと思います。
『今までオドオド怖がっていたけれど、なんだ、怖がることじゃなかったんだ』という気持ちの変化を表しているのだと思います。
使役動詞+O+原形不定詞
意味:Oに~させる
let, make, haveなどの使役動詞を使う場合は、目的語(O)の後に原形不定詞を置くことで『Oに~させる』という文を作れます。
セリフでは使役動詞makeの後に、目的語everything、原形不定詞seemが続いています。
some distance makes everything seem small
距離を取ることが 全てを小さく見える ようにする
歌詞の比較 2
And the fears that once controlled me can’t get to me at all
字幕:恐れは遠く去り もう私を苦しめない
吹替:だってもう自由よ なんでもできる
訳 :かつて私を支配していた恐怖は もう私を悩ますことはない
英語の解説
単語の解説
fear:名詞 (複数形:fears)
意味:恐れ、不安
that:関係代名詞
once:副詞
意味:かつて、かつては
controll:動詞 (過去形:controlled)
意味:制御した、支配した
me:代名詞 (目的格)
意味:私に、私を
can’t:短縮形 (cannot)
意味:~できない
get to:熟語
意味:~を悩ませる、イライラさせる
at all:熟語
意味:まったく~ない(否定文で)
関係代名詞(主格)
関係代名詞節: that once controlled me
意味:かつて私を支配した
先行詞である『the fears:恐怖』を関係代名詞節『that once controlled me』が修飾しています。
関係代名詞が使われると文が長くなって難しく見えますよね。しかし、主語と動詞を見つければ簡単に理解できます。
the fears that once controlled me can’t get to me at all
訳:かつて私を支配していた恐怖は もう私を悩ますことはない
この文の主語は『the fears that once controlled me:かつて私を支配していた恐怖』になります。
動詞は『can’t get to:悩ませられない』になります。
関係代名詞は名詞を修飾する形容詞節です。簡単に言うと、大きな形容詞のブロックのようなものです。
最後に
いかがでしたでしょうか。挿入歌『Let It Go』の解説になりました。
今回の解説した部分では、エルサが過去の悩んでいた自分と決別している様を感じられるのが好きです。
It’s funny how some distance makes everything seem small
字幕:遠くから眺めると すべてが砂粒のよう
吹替:悩んでいたことが 嘘みたいね
訳 :遠く離れてみると 全てが小さくみえるなんて おかしいわね
吹替版の松たか子が歌った歌詞と比べてみましょう。
英語では『It’s funny:おかしいわね』と、エルサが自分の過去を少し笑っているのが分かり、心の余裕も感じられます。
こう、吹っ切れて自分らしく生きていこうとするエルサがいいですよね。魅力的です。
私は、英語・日本語字幕・日本語吹替など、いくつかの角度から映画を見るのが好きです。
今回の歌詞は、英語の視点から見ると、よりエルサの強さが分かりますね。
今回この記事を作ろうと思ったのは、この歌『Let It Go』を歌いたいと思ったからです。歌ううえで、しっかりと文法を理解してから歌いたいと思ったので記事にしました。
同じようにしっかりと文法を理解して歌いたい人の参考になったらと思います。
また続きの歌詞も解説していきたいと思います。
これまでディズニー映画の挿入歌を訳したことがなかったので、新鮮味があって楽しいです。いつもはマーベル、MCUの曲を中心に解説しています。特に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の曲が好きなので、そればかり解説していました。今後はディズニーの曲も扱っていきたいです。
また次の記事で会いましょう。
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参照:アナと雪の女王
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(参照2023/10/03)
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