第1237回.マーベル映画のセリフで『第4文型』と『第3文型』の書き換えを解説
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)より
原題『Avengers: Endgame』
問題
スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)
Tony, I don’t know.
字幕:受け取れない
訳 :トニー 分からないよ
トニー・スターク / アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)
He made it __ you.
字幕:父が君に作った
訳 :父が君にそれを作った
__に入るのはどちらでしょう?
①to
②for
答え
正解は②forです!
トニー・スターク / アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)
He made it for you.
字幕:父が君に作った
訳 :父が君にそれを作った
詳しい英語の解説
第4文型(SVOO)と第3文型(SVO)
『人に物を与える』という意味の文は『第4文型(SVOO)』または『第3文型(SVO)+修飾語(M)』で表せます。
第4文型の場合
SVの後にO1(間接目的語)とO2(直接目的語)と続けて『SがO1にO2を与える』となります。
第3文型の場合
SVOの後に修飾語M(前置詞句)を続けて『SがMにOを与える』となります。
これらの文型は基本的に書き換えることができます。
今回のセリフを例にして書き換えた文を見ていきましょう。(※そのままだと書き換えられないので『it』を『the shield』に置き換えています。)
第3文型:He made the shield for you.
第4文型:He made you the shield.
訳:彼が君にその盾を作った
修飾語(前置詞句)を作る前置詞は動詞によって『to, for』などが使われます。
前置詞『to, for』の使い分け
『人に物を与える』という文を第3文型で表すときは動詞によって使う前置詞が異なり、覚えるのに苦労した方も多いと思います。
実はこれらは動詞によって規則性があります。その規則性を抑えれば、無理に覚える必要がなくなるのでオススメです。
『to』を伴う動詞
これらの動詞は『相手のもとに何かを届かせる』動詞であり、相手にそれが届かなければ動作が成立しません(相手がいなくては成り立たない)。
『give』は相手がいなければ物を与えられませんし、『tell』は相手がいなければ情報を伝えられません。
『for』を伴う動詞
これらの動詞は『相手のために何かをする』動詞であり、相手にそれが届かなくても動作が成立します(相手がいなくても成り立つ)。
『buy』は相手がいなくても物を買うことはできますし、『make』は相手がいなくても物を作ることはできます。
セリフでは動詞が『make』なので、前置詞は『for』を使っています。
He made it for you.
訳:父が君にそれを作った
『第4文型』に書き換えられない場合
『人に物を与える』という第4文型と第3文型の文は基本的に書き換えが可能だと言いましたが、書き換えられない場合も存在します。
それは第3文型(SVO)の目的語Oが『it, them』などの代名詞の場合です。
そのため、今回問題にしたセリフは第4文型には書き換えられません。
第3文型:He made it for you.(〇)
第4文型:He made you it.(×)(※この文は作れません。)
このような例もあり、必ず書き換えられるというわけではないので注意しましょう。
最後に
今回は『第3文型』『第4文型』『toとforの使い分け』を解説しました。こういった問題は並び替え問題や穴埋め問題で頻出のため、しっかりと意識していきましょう。
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参照:アベンジャーズ/エンドゲーム
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(参照2025/07/08)
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