第967回.マーベル映画のセリフで『used to』と『would』の違いを解説
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)より
原題『Avengers: Endgame』
問題
ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)
I __ have nothing.
字幕:私には何もなかった
訳 :私は以前は何もなかった
And then I got this.
字幕:でも やっと手に入れた
This job. This family.
字幕:この仕事と この家族を
__に入るのはどちらでしょう?
①used to
②would
映画のシーン
映画:アベンジャーズ/エンドゲーム
シーン:映画の序盤、サノスを倒して5年の歳月が流れた後のシーンです。多くの仲間を失ったことなど、色々な問題を抱えて落ち込んでいるナターシャにスティーブが『自分の人生を歩む道もある』と言いますが、ナターシャはアベンジャーズから離れる気はなく『お先にどうぞ』と返します。
ずっと1人きりで戦ってきたナターシャにとって、アベンジャーズはやっと手に入れた家族のように思える仲間であり、この仕事に誇りを持っているのが分かりますね。
答え
正解は①used toです!
ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ
I used to have nothing.
字幕:私には何もなかった
訳 :私は以前は何もなかった
詳しい英語の解説
助動詞:used to
意味:①以前はよく~していた ②以前は~だった
①は過去の習慣、②は過去の状態を表します。
どちらも『以前はよく~していたが、今はしていない』『以前は~だったが、今は違う』といった感じに過去と現在を対比しており、今は昔と違うんだというニュアンスが含まれています。
ナターシャは以前は1人きりで戦っていましたが、今はアベンジャーズという仲間がいます。なので『今は違う』というニュアンスを含んだ『used to』を使っています。
I used to have nothing.
訳:私は以前は何もなかった
助動詞:would
意味:よく~したものだ
現在に着眼点は置いてはおらず、単純に過去の習慣のことを表しているだけです。なので、今もそれを続けている可能性があるとも捉えられます。
また、wouldは過去の習慣のみを表し、過去の状態は表せないので注意しましょう。
『used to』と『would』の違い
used to:以前は~していた(今はしていない)
過去と現在を対比して、現在はそれをしていないという点に焦点を当てています。
would:よく~したものだ(今もしている可能性がある)
単純に過去の習慣を表していて、現在のことには触れていません。
今回の問題に直接は関係ありませんが、『used to』と似ていて間違えやすい『be used to』についても触れておきます。
be used to ~
意味:~に慣れている
『be used to』のtoは前置詞として使われているため、この後には名詞・代名詞が置かれます。
それに対して『used to』は助動詞となるため、この後には動詞の原形が置かれます。
『used to』と『be used to』の違いや使われているシーンについては、以下の記事で細かく解説しているので、よければそちらもご覧ください。
最後に
今回はここまでです。このシーンではナターシャの気持ちが以前と比べて大きく変化しているのが分かりますね。ナターシャがアベンジャーズを大切に思っていることが伝わってくるので、お気に入りのセリフです。
似たような意味を持つ『used to』と『would』の区別はなかなか難しいと思いますが、『今はしていない、今は違う』という点に焦点を当てたいなら『used to』を使うと考えましょう。
ディズニープラスで配信中!
『アベンジャーズ/エンドゲーム』はディズニープラスで配信中です。
タグを使って好きな記事を読もう!
英語表現や映画、キャラクターごとにタグを作っています。興味のあるタグで色々な記事を読んでもらえると嬉しいです。
他の問題にも挑戦しよう!
他の『マーベル英語検定』の記事のリンクはこちら
X(旧Twitter)のアカウントはこちら
マーベル英語検定を日々更新しています。フォローよろしくお願いします!
過去の作品はこちら
前回の記事はこちら
参照:アベンジャーズ/エンドゲーム
https://disneyplus.disney.co.jp/
(参照2024/08/22)
コメントを書く