第494回.『以前は~していた』という意味の『used to』と『would』の違いは?
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)より
原題『Avengers: Endgame』
問題
ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)
I __ have nothing.
字幕:私には何もなかった
訳 :私は以前は何もなかった
And then I got this.
字幕:でも やっと手に入れた
訳 :そして それからこれを手に入れた
This job. This family.
字幕:この仕事と この家族を
__に入るのはどちらでしょう?
①used to
②would
映画のシーン
映画:アベンジャーズ/エンドゲーム
シーン:映画の序盤、サノスを倒して5年の歳月が流れた後のシーン。多くの仲間を失ったことなどの問題を抱え、落ち込んでいるナターシャに対してスティーブが『自分の人生を歩む道も』と言いますが、ナターシャはアベンジャーズから離れる気はなく『お先にどうぞ』と返します。
ずっと1人きりで戦ってきたナターシャにとって、アベンジャーズはやっと手に入れた家族のように思える仲間であり、この仕事に誇りを持っているということが分かりますね。
答え
正解は①used toです!
ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)
I used to have nothing.
字幕:私には何もなかった
訳 :私は以前は何もなかった
詳しい英語の解説
助動詞:used to
意味:①以前はよく~していた ②以前は~だった
①は過去の習慣、②は過去の状態を表します。
どちらも『以前はよく~していたが、今はしていない』『以前は~だったが、今は違う』といった感じに過去と現在を対比しており、今は昔と違うんだというニュアンスが含まれています。
ナターシャは以前は1人きりでしたが、今はアベンジャーズという仲間がいますね。なので、『今は違う』というニュアンスを含んだ『used to』を使っています。
I used to have nothing.
訳:私は以前は何もなかった
助動詞:would
意味:よく~したものだ
現在に着眼点は置いてはおらず、単純に過去の習慣のことを表しているだけです。なので、今もそれを続けている可能性があるとも捉えられます。
used toとwouldの違い
used to:以前は~していた(今はしていない)
過去と現在を対比して、現在はそれをしていないという点に焦点を当てています。
would:よく~したものだ(今もしている可能性がある)
単純に過去の習慣に焦点を当てており、現在のことには触れていません。
今回の問題に直接は関係がありませんが、『used to』と似ていて間違えやすい『be used to』についても触れておきます。
be used to ~
意味:~に慣れている
『be used to』のtoは前置詞として使われているため、この後には名詞・代名詞が続きます。それに対して『used to』は助動詞となるため、この後には動詞の原形が続きます。
『used to』と『be used to』の違いや使われているシーンについては、以下の記事でも細かく解説しているので、よければご覧ください。
最後に
今回はここまでです。このシーンではナターシャの気持ちが大きく変化しているのが分かりますね。ナターシャがアベンジャーズを大切に思っていることが伝わってきて、お気に入りのセリフです。
used toとwouldの違いはなかなか難しいと思いますが、『今はしていない、今は違う』という点に焦点を当てたいなら『used to』を使うと考えましょう。
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(参照2022/06/18)
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