第592回.『手渡しは嫌いだ』は英語で何と言う?『動名詞の意味上の主語』を解説
映画『アイアンマン2』(2010年)より
原題『Iron Man 2』
問題
トニー・スターク / アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)
I don’t like people __ me things.
字幕:手渡しは嫌いだ
訳 :私は人が私に物を手渡しするのが好きじゃない
__に入るのはどれでしょう?
①hand
②handing
③handed
映画のシーン
映画:アイアンマン2
シーン:トニーが父の残した資料を探すため、ペッパーに任せたスターク・インダストリーズに向かうシーンです。途中でペッパーへのお土産としてイチゴを買いますが、手渡しを嫌がって車の座席に置かせていました。ちなみにペッパーはイチゴアレルギーなので、このイチゴは無駄になってしまいました。
答え
正解は②handingです!
トニー・スターク / アイアンマン
I don’t like people handing me things.
字幕:手渡しは嫌いだ
訳 :私は人が私に物を手渡しするのが好きじゃない
詳しい英語の解説
動名詞:(people) handing me things
意味:(人が)私に物を手渡しすること
動詞のing形を用いることで『~すること』という意味の動名詞を作れます。動名詞は名詞句となり1つの名詞として扱われます。
名詞なので主語や目的語として使うことができます。セリフでは動詞likeの目的語として使われています。
動名詞の意味上の主語
文の主語と動名詞の意味上の主語が一致しない場合、意味上の主語を動名詞の前に置きます。
意味上の主語は代名詞の場合は所有格か目的格、名詞の場合は所有格かそのままの形で置きます。セリフではpeopleが意味上の主語にあたり、そのままの形で置かれています。
I don’t like people handing me things.
訳:私は人が私に物を手渡しするのが好きじゃない
動詞:hand
意味:~を手渡す
よく目にするhandは『手』という意味の名詞ですが、今回は使われているのは『~を手渡す』という意味の動詞となります。
今回は動名詞として使われているので、ing形のhandingになっています。
このセリフをオマージュしているシーン
映画『アベンジャーズ』でも、トニーが手渡しを嫌がるシーンがあり、似たようなセリフを言っています。
コールソンがスターク・タワーにアベンジャーズ計画の資料を渡しにくるシーンです。ちなみに、英文は少しだけ違いがあります。
トニー・スターク / アイアンマン
I don’t like being handed things.
字幕:手渡しは嫌いで…
訳 :私は物を手渡しされるのが好きじゃない
動名詞:being handed things
意味:物を手渡しされること
こちらのセリフでも動名詞が使われていますが、先ほどとは違い意味上の主語は使わずに受動態の形をとっています。
受動態:be handed
意味:手渡しされる
『be動詞+動詞の過去分詞形』で『~される』という意味の受動態(受け身)の表現を作れます。
セリフではこの部分が動名詞になっているため、be動詞がing形のbeingになっています。
最後に
今回はここまでです。何気ないシーンですが、このセリフが続編の映画『アベンジャーズ』でもちゃんとオマージュされているのがいいですね。こういう細かいところに気付けるとファンとしては嬉しいです。
文の主語になっている人と動名詞の動作をする人が同じかどうか考え、違っていたら動名詞の意味上の主語を置く必要があるので気を付けましょう。
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【アイアンマン】『これが偉大なるスタークの最後の抵抗か?』は英語で何と言う?『late』の最上級『last, latest』の違いは?【マーベル映画のセリフで英語の問題】
参照:アイアンマン2
参照:アベンジャーズ
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(参照2023/02/09)
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