第896回.マーベル映画のセリフで『used to』と『would』の違いを解説
映画『スパイダーマン2』(2004年)より
原題『Spider-Man 2』
問題
ヘンリー
You take Spider-Man’s pictures, right?
字幕:スパイダーマンを撮ってる?
訳 :スパイダーマンの写真を撮ってるんだよね?
ピーター・パーカー / スパイダーマン(トビー・マグワイア )
I __ .
字幕:前はね
訳 :以前はよく撮ってたよ
__に入るのはどちらでしょう?
①used to
②would
映画のシーン
映画:スパイダーマン2
シーン:メイおばさんの引っ越しを手伝っているヘンリーに、今もスパイダーマンの写真を撮っているのかを尋ねられ、ピーターは『以前は撮ってたけど、今は撮ってないよ』と答えます。
ピーターはスパイダーマンとして活動していた時は、自分でその写真を撮り新聞社に売っていましたが、このときはスパイダーマンを辞めていたため写真も撮っていませんでした。
答え
正解は①used toです!
ピーター・パーカー / スパイダーマン
I used to.
字幕:前はね
訳 :以前はよく撮ってたよ
詳しい英語の解説
助動詞表現:used to
意味:①以前はよく~していた ②以前は~だった
①は過去の習慣、②は過去の状態を表します。
どちらも『以前はよく~していたが、今はしていない』『以前は~だったが、今は違う』という感じに過去と現在を対比しており、今は前と違うんだというニュアンスが含まれています。
セリフでは『used to』以降の部分が省略されているので、その部分を補うと以下のような文になると考えられます。
I used to take Spider-Man’s pictures.
訳:以前はスパイダーマンの写真をよく撮っていたが 今は撮っていない
ピーターはこの頃スパイダーマンを引退して、一般人として生活していました。なので『今はしていない』というニュアンスを含む『used to』を使っています。
助動詞:would
意味:よく~したものだ
現在に着眼点は置いてはおらず、単純に過去の習慣のことを表しているだけです。なので、今もそれを続けている可能性があるとも捉えられます。
また、wouldは過去の習慣のみを表し、過去の状態は表せないので注意しましょう。
『used to』と『would』の違い
used to:以前は~していた(今はしていない)
過去と現在を対比して、現在はそれをしていないという点に焦点を当てています。
would:よく~したものだ(今もしている可能性がある)
単純に過去の習慣を表していて、現在のことには触れていません。
今回の問題に直接関係ありませんが、『used to』と似ていて間違えやすい『be used to』についても触れておきます。
be used to ~
意味:~に慣れている
『be used to』のtoは前置詞として使われているため、この後には名詞・代名詞が置かれます。
それに対して『used to』は助動詞となるため、この後には動詞の原形が置かれます。
『used to』と『be used to』の違いや使われているシーンについては、以下の記事で細かく解説しているので、よければそちらもご覧ください。
最後に
今回はここまでです。この後、メイおばさんの話を聞いて、少しずつスパイダーマンとして復活しようという意思が戻ってくるのがいいですよね。
似たような意味を持つ『used to』と『would』の区別はなかなか難しいと思いますが、『今はしていない、今は違う』という点に焦点を当てたいなら『used to』を使うと考えましょう。
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(参照2024/06/06)
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